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生麦事件〈上〉 (新潮文庫)
 
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生麦事件〈上〉 (新潮文庫) [文庫]

吉村 昭
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

いかにして薩摩はイギリスを斬ったか?

文久2(1862)年9月14日、横浜郊外の生麦村でその事件は起こった。薩摩藩主島津久光の大名行列に騎馬のイギリス人四人が遭遇し、このうち一名を薩摩藩士が斬殺したのである。イギリス、幕府、薩摩藩三者の思惑が複雑に絡む賠償交渉は難航を窮めた──。幕末に起きた前代未聞の事件を軸に、明治維新に至る激動の六年を、追随を許さぬ圧倒的なダイナミズムで描いた歴史小説の最高峰。

内容(「BOOK」データベースより)

文久2(1862)年9月14日、横浜郊外の生麦村でその事件は起こった。薩摩藩主島津久光の大名行列に騎馬のイギリス人四人が遭遇し、このうち一名を薩摩藩士が斬殺したのである。イギリス、幕府、薩摩藩三者の思惑が複雑に絡む賠償交渉は難航を窮めた―。幕末に起きた前代未聞の事件を軸に、明治維新に至る激動の六年を、追随を許さぬ圧倒的なダイナミズムで描いた歴史小説の最高峰。

登録情報

  • 文庫: 312ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/05)
  • ISBN-10: 410111742X
  • ISBN-13: 978-4101117423
  • 発売日: 2002/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
形式:文庫
 薩摩や長州は幕末の有力な主役であるが、その動きは変転が著しく、会津や幕府、朝廷との関係はなかなか理解しにくいところがある。
 本書は生麦事件をきっかけとして、薩長がどうイギリスとたたかい、近代化の必要性を認識し、幕末を駆け抜けたかを描く物語である。このあたりの経緯がすっきりと理解できることは請け合いである。
 相変わらず丹念な調査にもとづく緻密な筆致は圧巻。淡々としながらも迫真のある生麦事件の諸相が目の前で繰り広げられるようである。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
幕末、薩摩藩ほど変幻自在の動きをした藩はない。会津と組んで京から長州を追い落とすかと思えば、薩長同盟を成立させて倒幕の原動力となった。徳川慶喜や松平容保には薩摩の豹変は何が何だかわからなかったと思われる。本作は生麦事件の描写に留まらず、その後の薩英戦争や薩長同盟まで射程に捉えている。初めは公武合体派であった薩摩藩が外国の軍事力を思い知って倒幕に向かう過程が細かく書かれている。生麦事件がなければ、幕末の薩摩の動向もずいぶん違うものになっていたはずだ。

例によって著者の文章は緻密かつ重厚。奈良原喜左衛門に斬られたリチャードソンの脇腹からはみ出した臓腑が路上に落ちた、などと言う描写は著者の文体だからこそ凄惨なリアリティを感じる。結末が少しまとまらない感じがするので星4つ。

このレビューは参考になりましたか?
By shunp
形式:文庫
 
 吉村昭は“幕府崩壊、明治維新成立の上できわめて重要な意義を持つ”ものとして、「生麦事件」(1862年)を位置付ける。
 
 大名行列に無礼を働いたとして薩摩藩士がイギリス人を殺傷したこの事件は、薩英戦争のきっかけとなり、それを契機に薩摩藩は攘夷から開国へと大きく方針を転換した。それが倒幕、明治維新へとつながっていくこととなるわけで、そこに、偶発的に起こったこの事件の歴史的意義がある。

 本書は薩摩藩が中心に据えられてはいるものの、幕末日本の激動が客観的に描かれるという色彩が濃く、それゆえ歴史的事実を記述する場面が多くなり、作品全体としては硬い印象も受ける。
 しかし、幕府崩壊という歴史的大事件の経過が、生麦事件をはじめ薩英戦争、長州藩の動き、幕府や薩摩藩等と外国との外交交渉などを通じて精緻に描き出されており、硬さを差し引いたとしても、十分に読み応えのある作品となっているのである。

 吉村昭の幕末・維新ものの代表的作品の一つと言えよう。
 
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