世の中で出回っているマーケティング関係の本は、BtoCの消費財向け、またはマーケティングの学術的な本が多い。この本は、それらとは一線を画しており、あくまでも製造業の社内から見た、リアルな実践向きの本である。「顧客第一主義」といった耳障りのいい言葉が、業務プロセスにまで落とし込まれており、マーケティングの範囲にとらわれない内容である。
特にアマダの実際の製品の事例を惜しみなく活用し、成功した製品だけでなく失敗した製品の敗因分析まで、正直に書いてある点に非常に驚かされる。マーケティングが、小手先の営業戦略でなく、経営戦略から組織戦略・生産戦略まであらゆる工程に「プロセス」として組み込まれているため、製造業の現場で何度も読み返して教科書的に活用することが出来る。
おそらくBtoBの生産財向けの製造業にかかわる人は、「目からうろこ」の内容ではないだろうか。製造業で技術が活かせずに売上に伸び悩んでいる企業の経営者や管理者層だけでなく、経営コンサルタントが読んでも納得の一冊である。