生物の「多様性はなぜ必要なのか」「なぜ大切なのか」「理由はなんなのか」
僕はずっと疑問に思っていた。
生物多様性とはなにかを解説してくれる本は山ほどあるが、
多様性の必要理由を説明する本はこれまで見つけられなかったのである。
ところが、あった。
本書である。
しかも2005年の初版である。
しかし誰も注目しなかったのだろうか。
不思議である。
筆頭著者は、動物学者の日高敏隆さん。
肝心の「生物多様性の必要理由」を執筆しているのは、森林生態学の中静透〈なかしずかとおる〉教授である。
それによれば
・生態系サービスという考え方があるが、それでも1000種類くらいしか植物は要らないのではないか。
・現時点では発見されていない難病を治す抗生物質などの成分を含む草木が存在しているかもしれない。
・1種類で生やすより数十種類で生やすほうが全体量は多くなるというデータがあるが、
これが200種類となるとどうなるか。その実験はないし、却って全体の熱量は減るのではないか。
・例えば日本国内で、生物多様性がきっちりしていれば、隙間がなくて、外来種が入ってこれないという
メリットがあるかもしれないが、それがどうしたということでもある。
・多種多様な種類の樹林では災害の時に、風に強い植物、火に強い植物、水による根腐れに強い植物など
が揃っていることで、森自体の回復力が強靭になる。
うーん。一部納得できるがなあ。
・生物多様性は遺伝子多様性と同じという説はどうだろう。
ならば、殺菌は悪だし、感染症撲滅もダメである。クラスの半分にはワクチンを打って
半分には打たないなんてのは出来ない相談である。
・結局。パンダが居なくなる。ラッコが居なくなる。ニホンカワウソやニホンオオカミはもういない。
これらは感傷・メランコリーだけではないのか。