(日経エコロジー 2006/06/01 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
イデオロギーや偽善に走らず人類と生物界の調和の挑む,
By 市井の人 "multiverse" (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 生物多様性という名の革命 (単行本)
生物多様性という概念は、ガイヤ仮説や最近ではネットワーク理論とも結びつけられ、地球環境を考える上で重要なキーワードの一つとなっている。しかし、生物多様性や環境保護を求める動きは、ともすれば過剰なイデオロギーに支配され、反文明的な様相を帯びることも多い。また、生物多様性に価値があるとしても、その価値を価値として認識できるのは実は人間以外にない。このような環境主義自体がかかえる矛盾は時として批判の対象ともなるのだが、筆者は自身は環境を愛する者であることを認めつつ、多数の生物多様性を推進してきた大家に対し、バランスを取りながら、場合によっては批判的な立場さえ交えて、この問題に取り組んでいる。形式としては多数のインタビューに基づいた、歴史的な経緯もふまえて生物多様性を推進してきた多くのの意見を紹介しているのだが、初学者も含めて生物多様性の問題を考えるすぐれた指針となっている。
19 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
生物多様性理解の必読書,
By いるかん・ばく (横浜市港北区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 生物多様性という名の革命 (単行本)
Biodiversity(=生物多様性)。自然と共存する持続可能な未来の地球社会を構想する上で、決定的名重要性を持つ、世界標準の概念・言葉である。好悪いずれと評価するにせよ、これを生み出し、世界スタンダードとして定着させたのは、1980年後半から1990年代前半にかけてのアメリカであった。その創造の領域に、どんな歴史、どんな論議、どんな企画や、ビジョンや、野心や相克があったのか。文明の視野で自然の保全に深く関心を寄せる読者なら、だれもが知っていてよいことだろう。本書はそれをリアルタイムで記述するおそらくは世界で唯一の不思議な書物。少々不器用ではあるが、タカーチは現場主義に徹して、見事、そんな本を作り上げた。その努力や買うべし。B iodiversityに関心を寄せる研究者、学生、企業人、コンサルタントから、もちろん行政職員まで、あらゆる分野の志ある読者が、手にして良い本、いや手にすべき本だろう。幸か不幸か(?)、わが国におけるBiodiversity(生物多様性)論議は、国家から研究者、ボランティアまで、里地、里山、里川、里浜、はては里海など、およそ国際スタンダードとは縁もゆかりもない不思議にして奇怪な概念・言葉に振り回される自己中にして閉塞的な状況の中にある。それがどれほどに不思議で奇怪な光景か。それを相対化し自覚化する手立てとしても、大いに効能ありと認めてよい。農本主義的里山主義者も、怖がらず、しっかり手にとって読んでみよう。
38 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
インタビューと称する聞きかじりに社会構築論を混ぜた駄本,
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レビュー対象商品: 生物多様性という名の革命 (単行本)
著名生物学者23人へのインタビューとあって、帯にもそれらの名前が仰々しく並んでいるが、インタビュー自体はぜーんぜん出てこず、切れっ端があちこちで援用されているだけ。その23人の多くがロンボルグ『環境危機をあおってはいけない』で無根拠さを批判されていた論者だが、そうした批判に対するコメントも一切ない。だが本書をさらに嫌な駄本にしているのは、これが生物多様性というのを社会構築論的にとらえようとしている点。社会構築論というのは、事実は物理的・科学的なものですら客観的に存在するのではなく社会的なお約束ごとでしかないというくだらない説。著者にとっては、生物多様性というのも社会的に構築された作り事のお話でしかないのだが、救われないことに著者はそれが何やらいいことだと思っている! そしてそれを弁解しようとするいたずらに饒舌で空疎な記述がひたすら続き、学者のインタビューはその援用のためにつまみ食いされるだけだ。さらに p. 291-292 あたりでは生物多様性のスピリチュアル性とのつながりが云々といって、科学が宗教とからんで生物多様性を保護するとかなんとか。もう頭痛もの。 生物多様性を保護しろという議論は、まったくのナンセンスではないし、検討すべきこともある。でもそのためには科学的、経済的、文化的な検証を通じ、その意味をきちんと示すことでコンセンサスを作るしかない。ところが本書はぜんぜんそれができていない。本書はむしろ、生物多様性というお題目を使って、サイエンススタディーズとか社会構築論とかを擁護するところに実際の重点がおかれていて、このために大変読みにくくいやな本となっている。生物多様性に本当に関心ある人は手に取らないこと。
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