名古屋でCOP10が開催され、「生物多様性」というキーワードはずいぶん広まってきたように思う。でも、様々な国が集まり会議をするほど、それって大事なことなの?そしてその答えがYesなら、行政はそれをどのように捉え、そして施策しようと考えているの?
この本は、生物多様性を「社会の新たなプラットホーム」と位置づけ、その上で起きている関連諸法の改定や戦略策定などの幅広い行政の動きを一種のシステム変動と見立て、先の問いに答えようとしている。斬新な視点からの解説は、今後の環境行政(幅広い意味で)の方向性といったことに関心のある人にとって、大いに参考になると考える。
法律家の書く環境の本なんて堅いし、実務に関わる自然科学系の視点とは関心のポイントががずれて面白くないのでは?と思うかもしれない。しかしこの本は、環境系大学院で自然科学を専攻する大学院生を対象にした筆者の双方向型講義から生まれたものと書かれたとおり、いい意味で裏切られるだろう。