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生命倫理の成立―人体実験・臓器移植・治療停止
 
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生命倫理の成立―人体実験・臓器移植・治療停止 [単行本]

香川 知晶
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

生命科学や医療技術の飛躍的進展に伴う、新しい問題群に対応する新しい倫理。医療にどのように関わるべきか。

内容(「MARC」データベースより)

1960年代から70年代末までの、米国における生命倫理の形成史を扱う。医療をとりまく人々の意識の変化に注目するだけでなく、外での変化に対応する形で医学や医療の内部で生じていた変動の一端をも明らかにする。

登録情報

  • 単行本: 262ページ
  • 出版社: 勁草書房 (2000/09)
  • ISBN-10: 4326153482
  • ISBN-13: 978-4326153480
  • 発売日: 2000/09
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本
 本書は「米国における生命倫理の形成史」を中心に扱った書物である。生命倫理学の主題は多岐にわたるが、本書のそれは副題にあるとおり、「人体実験・臓器移植・治療停止」に的が絞られている。人体実験という言葉によって、我々はしばしばナチスや戦前日本の731部隊の蛮行を想起するが、程度の差はあれ、そうした非人道的な行為が戦後間もないころのアメリカにおいても当たり前のように行われていたことを、我々は本書によって知ることができるであろう。そして同時に、たとえば今日お題目のように唱えられているだけの「インフォームド・コンセント」という考え方も医療の非倫理的な体質に対する反省から生まれてきたことをも知ることができるであろう。我々は今現在獲得している考え方を当たり前のものとして見做しがちであるが、思想史を振り返ってみると、それが浅はかな態度であることを思い知らされることがある。その意味で、我々は常にある思想がどのように形成されてきたのかという反省を怠ってはならないのである。生命倫理もまた例外ではない。その意味で、「生命倫理の形成史」を扱った本書は、我々の怠惰な認識を反省へと覚醒させる重要な意義を持っていると言えるであろう。
 ただ苦言を述べさせてもらえれば、本書においては、生命倫理学そのものが哲学・思想史一般の中でどのような位置付けを持つものなのかということについての考察が欠けていたということである。たとえば、科学技術時代において、従来の倫理学の根本的な限界を指摘し、新たな倫理学の原理として「責任」という概念を提出した思想家にハンス・ヨナスがいるわけであるが、そのヨナスを本書は好意的に扱っているだけに、上述の欠点は惜しまれるのである。ちなみにヨナスの論文「人間の被験者を扱った実験についての哲学的考察」については本書の第一章第九節で取り扱われているので、ヨナス研究者も一読しておいて損はないであろう。
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