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生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書)
 
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生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書) [単行本]

高井 研
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

オゾン層もなく、宇宙から有害光線が直接地表に降り注ぐ、40億年前の原始地球。過酷な環境のなか、深海には、地殻を突き破ったマントルと海水が化学反応を起こし、400度の熱水が噴き出すエネルギーの坩堝があった。その「深海熱水孔」で生まれた地球最初の“生き続けることのできる”生命が、「メタン菌」である。光合成もできない暗黒の世界で、メタン菌はいかにして生態系を築き、現在の我々に続く進化の「共通祖先」となりえたのか。その真理に世界で最も近づいている著者が、生物学、地質学の両面から、生命の起源に迫る、画期的な科学読本。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高井 研
1969年、京都府生まれ。地球生物学者や宇宙生物学者と名乗ることが多い。専門は、深海や地殻内といった地球の極限環境に生息する微生物や生物の生理・生態や、その生態系の成り立ちと仕組みの解明。97年京都大学大学院農学研究科水産学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、科学技術振興事業団科学技術特別研究員などを経て、2009年より、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)海洋・極限環境生物圏領域深海・地殻内生命圏研究プログラムプログラムディレクター及び、プレカンブリアンエコシステムラボラトリーユニットリーダー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 241ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2011/01)
  • ISBN-10: 4344981987
  • ISBN-13: 978-4344981980
  • 発売日: 2011/01
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By aito
関西人のお笑い的文体で書かれた小難しい一般向け科学読本は珍しいのではないだろうか。
内容ははっきり言って難しく、少なくとも高校の化学・生物・地学すべての知識がないと理解するのは難しいと思う。しかし、独特のお笑い的文体と文章の持つ圧倒的な勢いで最後まで読まされてしまう。「単独の生命体だけでなく、周りの環境も含めて生命」という考え方、太陽系の生成消滅を超えた物質の輪廻など、目を開かされる話がたくさんあった。そして、Ultra H3 linkage仮説のくだりでは、超ホットな科学の営みの息遣いが聞こえてくるようである。できるなら、「高校の理科なんてちょろいもんよ」とタカをくくっている小生意気な高校生にぜひ読んでいただきたい。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
知らないことを知るという喜びは、えもいわれぬ力を与えてくれるものだ。本書を読んで現在の深海熱水活動域から40億年前の原始地球さらには宇宙空間へとタイムスリップすることができるパスポートを得たような気がする。

専門家向けでなく一般向けに書かれたとはいえ単なる概要をまとめただけのものではない。第一線で研究を続けている筆者そしてその研究グループが突き止めようと目指している方向が明確に示されている。難解な部分に対する言及もあるようだが、決して単に難解であるとは思わない。確かに基礎的な知識が不足していればそう感じるかもしれない。ただ、具体的で専門的な言葉を研究者並みに理解する必要はないが、2〜5章の流れは彼らの提唱する仮設を理解する上で恐らく最小限度知っておくべき知識なのだ。ここを少しでも理解してこそ、読者は地球が生まれる前の宇宙と活発に活動する地球環境(大気、海、マグマ)すべてをリンクして思い描くことが可能になる。筆者の言う「生命は、生命を取り囲みその生命を含んだ生命圏の在り方やその中のエネルギーや物質の流れのなかで考えるべきだ」という考えも、そうした一連の流れの中でこそより一層厚みが増すのだ。

彼らの研究は、一つの惑星の始まりにあったであろうドラマを、今現在も残されている僅かな手掛かりから,物語として破綻をきたすことのないromanへと書き換える緻密な作業のようにも思われてならない。

また本書には、随所に生身の研究者たちが顔をのぞかせている。そして筆者が見た感じたままの表現で現場の臨場感を伝えてくれる。こうした部分は筆者自身も楽しんでいるのであろう。難を言えば、読者が生命の起源へと旅する夢想からいきなり引き戻されるような表現が所々にあるのは確かであるが、これが筆者の描きたい世界なら仕方あるまい。あくまで科学者による科学読本であるのだから。

本書に興味を抱く人はもちろんのこと、おそらく程度の差こそあれ、誰もが一度は思いをはせたことがあるのではないだろうか、「命の始まりとはどのようなものであったのか」と。幼いころの、まだ言葉にもならないような漠とした思いにも似た問いだ。この問いは人類の根源的な問いなのだ。本書は改めてそのことに気づかせてくれた。

本書を手に取った各人がそれぞれ「何か」を得ることであろう。是非一読をお勧めしたい。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 小五の頃『コンチキ号漂流記』を読んだ。
 児童向けに編纂されたものだが、学説を立証するため「本気の冒険をする大人」が「本当にいる」ことに、幼い私は心の底から感激した。読書で知識を得る楽しさや、海と不可思議な生物に興味を覚える最初のきっかけにもなったように思う。
 以降、気の向くまま様々な書を手にし、興味を広げ読書を掘り下げることはできたけれど、小五の頃の、打ち震えるような感動と再会する機会は得られなかった。
 長ずるにつれて「あの衝撃は幼さ故の特権か」と諦め、ただ興味を満たす目的で本書も手に取った。

 情報収集の一端として気軽に読み始めたはずが、いつのまにか姿勢を正していた。生命の根源を論ずる「ついで」のように宇宙や素粒子までが軽妙に語られ、様々な仮説も並べた上で、現時点での自説を熱く語り立証しようと邁進する「本気の大人」の姿が、ごく卑近な存在として間違いなくハッキリと現れていた。
 科学雑誌の特集を読んでも実感を持って理解できなかった『対称性の破れ』が、本書を通して「そういうことか!」とスッキリのみこめた。「愚か者の金」「綺麗なだけで役立たず」と悪評高い「黄鉄鉱」が実は生命誕生において金より重要な存在だった可能性の話など、知的アハ体験が随所に散見し、その都度、私の中で好奇心の花火が上がった。
 それは紛れもなく『コンチキ号〜』を読んだ頃と同様の感動だった。
「エエ大人になっても、こんなふうにワクワクと溢れ出る楽しさを読書から感じ取ることが、まだできるのか」と心が咽ぶ思いで読み終えた。
 内容の重さ・熱さと相反して軽い調子の文体を、疎ましく感じる人もいると思う。しかし私には「学生の時に、もっと勉強しておけばよかった!」という劣等感を払拭してくれるものだった。探求心は、特別な優等生でなくとも持ち続けてイイモノだと実感できた(褒めています)著者の鷹揚な人柄が感じられる点でも、意義があるように思う。そらそうよ。

 ツイッターによると航海記のアレやコレや部分が編集の都合で割愛されたそうだ。そこには「本気の冒険」も記されていただろうと、つくづく悔やまれる。是非、改めて世に出していただきたい。今世紀版『コンチキ号漂流記』として、私が受けたような感動を次世代の子どもたちにも送り届けて欲しい。
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