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33 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
理論物理屋・シュレディンガーの『地頭力』が遺憾なく発揮された名著,
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レビュー対象商品: 生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫) (文庫)
1944年に本書が書かれた時、遺伝子のミクロな分子的構造など少しも分かってはいなかったのです。そんな「目に見えないもの」の正体を捉えるために、物理屋はどの様にアプローチするのでしょうか? 本書に理論物理屋・シュレディンガー教授が果敢に挑戦した思考の軌跡が記されています。いま流行りの言葉で言えば『地頭力』が遺憾なく発揮されています。メンデル遺伝学と熱統計力学・量子力学の知識に基づき、エンリコ・フェルミ流の「封筒裏の計算」で(半)定量的評価・推定を行った結果、「遺伝子は安定な構造をもつ一千個程度の巨大分子であり、それは非周期性の結晶というに相応しいモノである。(「非周期性」=暗号文中の文字のような原子配列、「結晶」=原子間の強い結合)」という結論に至ります。これを読んで多くの物理屋さん(クリック、ウィルキンス...)が生命科学分野へ誘われ、実際にDNA構造が決定されるに至った訳です(1953年)。このDNA構造がシュレディンガー氏のイメージ通り、という処が凄い処ですね。新書版(品切中)と文庫版の違いは、訳者・鎮目恭夫氏が文庫本に新たに「あとがき」を書かれている点にあります。教科書には普通載らない(載せられない(-_-);;)シュレディンガー氏の逸話も挿入しつつ、「生命とは何か」の哲学的な側面の再解釈を披露しておられます。(この"あとがき"は立ち読みできる分量です)
15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「目には見えないもの」を相手にする時の「物理屋の視点」&「封筒裏の計算」,
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レビュー対象商品: 生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版) (新書)
1944年に本書が書かれた時、遺伝子のミクロな分子的構造など少しも分かってはいなかったのです。そんな「目に見えないもの」の正体を捉えるには、物理屋さんならどの様にアプローチするのか? 「物理学の研究法には現象論的方法と原子論的方法がある」(湯川秀樹著『目に見えないもの』より)、そこでシュレディンガー教授は統計物理の見方と量子論の見方と駆使し、時にはエンリコ・フェルミ流の「封筒裏の計算」の精神による(半)定量的評価を適宜行いつつ、「遺伝子は安定な構造をもつ巨大分子であり、それは非周期性の結晶というに相応しいモノである」というイメージを打ち立てています。そしてその様な遺伝子は物理的な存在である(量子力学で支配されている筈!)という力強いメッセージを放っています。これを読んで「じゃ、いっちょ、やってやるか!」と多くの物理屋さん(クリック、ウィルキンス...)が奮い立った、というのも分かる気がします。「答えが分かっていない処で如何にBest guessを行い、科学の進むべき方向性を指し示すことが出来るのか?」という観点で本書を読み直すと面白いと思います。上記の湯川教授の本の中の『思想の結晶』というエッセイで「水は凍って初めて手で掴むことが出来る。人間の思想も心の中にある内は水のように捉えにくいが、文章となって形になると、掴みやすい。書物は思想の凍結であり、結晶である」という名言があります。シュレディンガーの本書は、DNA分子模型という「思想の結晶化」を助ける為の結晶核(=兎毛塵)となっていたと言えましょう。
26 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ノーベル賞の震源地,
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レビュー対象商品: 生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版) (新書)
今日の分子生物学の道を切り開いた元祖であるシュレーディンガーは、科学に対する論及の切れ味と門外漢である生物学への謙虚さを、60年後の私達にさえ色褪せることなく力強く語りかけてくれます。この書籍に啓発された数多くの学者がキラ星の如くノーベル賞を受賞しているのもうなずける気がします。その代表例がDNAの二重螺旋構造を解明したクリックとワトソンです。実は、この古典を読む直接のきっかけは、ワトソン氏の最近の著作「DNA」にその様子が生々しく描写されていたからです。「生命とは何か」の見せ場は。 1 シュレーディンガーの恩師である原子論の立場にたつ統計力学の指導者ボルツマン。 2 突然変異を提唱したフリース。 3 染色体の分子構造の解析に迫り、シュレーディンガーに「物理学の別の法則」を示唆し予言させたデルブリュック。 彼ら3人に対するシュレーディンガーの言及が興味深い。不思議と三者の固有名詞がそれぞれ8回も出現し、この書籍の人名出現頻度数ベストワンを形成しているのも偶然ではあるまい。
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