混迷を深める今、混沌の危機的状況の中で最後に生き残るヤツとはどんなヤツなのか。というテーマだが、まとめると、生き残るヤツとはつまりディズニー映画のジャングルブックの主人公モーグリである。モーグリは、ジャングルの動物に育てられるが、イギリス人の提督の娘キティに恋をして、人間界にやってくる。キティに一途ゆえ、知能が高いモーグリはあっという間に学問もマナーも身につけるが、人間の汚い社会に当惑しジャングルに帰ってしまう。ジャングルの世界は、自分を襲うものから生き残るために知恵を使う。ところが、人間はすでに自分の生きるため以上のものをもっているのに、自分の力を誇示するため、肥大した欲を満たすため、楽するために正義や常識という建前を使い、組織的なイカサマを使って、どんどん善良なものからエネルギーや金を奪い続ける仕組みを作る。彼らが非文化的と見下しているジャングルの自然界の掟こそ、普遍に通用する因果応報の生き物の世界。雀鬼はこの本でこのモーグリ的な生き方ができるひとこそ、壊れつつある今の社会のなかで唯一自分を救ってくれる知恵を持つ者だといいたいのだ。自然界の普遍の法則と、人間が作ったこの社会の掟(常識)はだいぶ違っている。社会の掟・常識は、権力者が自分の支配を強め、従順に従わせるために教育を通して洗脳を図るものだが、自然界の掟は人間からなにも奪わない。太陽や風、土のように、恵みを与えっぱなしだ。ただ、その大きなものとの付き合い方があるだけだ。そうした生き方は身の丈でいる限り、自然の調和と自己の保存のために最良の判断を提供してくれる。ここに戻るためにはどうしたらいいのか、この社会なにが違っているのか、を具体的に書いている。