既に2年以上前に新書版について本書を絶賛するレビューを書きましたが、手軽に手にとることができるビザンティン帝国の通史の本として最良の本であるという私の考えは今も変りません。その名著がこの度めでたく文庫版として復刊しました。内容的には新書版にわずかな訂正を加えた程度の違いしかありません。新書版との大きな違いは、装丁が変ったことと文庫版後書きが追加された程度です。新書版が長らく品切れで悔しい思いをした人も多いのではと思いますが、新書版未読の人は是非この機会に本書でビザンティン帝国の歴史の魅力に触れて下さい。時代の流れに応じて変り続けたからこそ、1000年以上この帝国が生き残ったことを理解できると思います。ビザンティン帝国、および帝都コンスタンティノープルへの敬愛に満ちた、平明な文章が、本書を実によみやすくしています。ずばり歴史的名著。その復刊を大いに歓迎します。