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73 人中、66人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
何故「生き抜くための数学入門」なのか。,
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レビュー対象商品: 生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ) (単行本)
子供に何らかのスポーツをやらせる親は多いと思う。このとき親は子供がスポーツを通して何を身につけることを期待しているのだろうか。おそらくそれは技術の向上そのものではなく、コツコツと努力を続ける勤勉性、スランプを乗り切る忍耐力、自分自身と向き合う精神力、フェアプレーの精神、指導者や仲間との信頼関係、団体競技で必要とされる協調性、等々といったところなのだろうと思う。そうしたことが身につくのであれば、大会で好成績を残せなくても充分意味がある。おそらく著者は数学も同じだと言うのではないだろうか。数学を学ぶことの意義は、数学的概念を理解することそのものにではなく、問題を整理してじっくり考える癖、曖昧な表現を正確な表現に言い換える癖、インチキを見抜くコツ、複雑な問題を単純な問題に分割するコツ、途中で諦めずに最後まで考え通す粘り強さ、時には別の視点から問題を見てみる癖、類推する力、等々を身につけることにあるのだろうと思う。日々の買い物に虚数は必要ないけれど、「二乗したら負になる数」なんて得体の知れないものについてまで文化・言語の壁をこえて話し合える力が身につくのであれば充分意味がある。 哲学同様、数学も「学ぶ」ものではなく「する」ものなのではないか。数学を学ぶことを通して身につけた考える力や他者と議論するスキルを、実生活で出会う現実の問題(それはマーケットシェアの拡大かもしれないし、人質解放交渉かもしれない。政治活動かもしれないし、生き方の模索かもしれない)に対して使うことが重要なのだ。 学校で習う数学的概念は実生活ではほとんど使い道がないかもしれない。けれど、数学を学ぶ過程で身につくことが期待できる様々な能力ほど実生活で役に立つものはない。身につけるべきは、テストで高成績を残す技術や知識ではなく、考えて話し合って生きていく力。そういう意味で『生き抜くための数学入門』なのである。
35 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
活用能力とはこれのことでは?,
By ぐーぐる太郎 "あしたのごはん" (さいたま) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ) (単行本)
数学万歳の自己賛美系、うんちく系、さらにトレーニング系の入門書があふれる数学書の分野での、久しぶりのクリーンヒット。「日本人は知識はあるけど、活用が苦手」だと昔から言われてきたが、全国学力テストの結果、それがはっきりしてきたらしい。 となると、インド式計算術や公式の叩き込みをやっても状況の改善は望めない。ましてや、天才数学者の伝記を読んでもどうにもならない。今必要なのは、本書が主張しているように「それってそもそも何?」を論理的に読み解く読解力ではないだろうか。 となると、つい小難しい説教満載なんじゃないかと不安になるが、本書は違う。一般的の読者もユーモアたっぷりの具体的な問題を通じて、「なるほど〜」「そういえば・・・」と思いながら、活用能力とはこういうことかと具体的にわかるような工夫がなされている。 「宇宙人にかけ算を教える」章は特に秀逸。
27 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
題名と本文がマッチしてない,
By pn - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ) (単行本)
面白い本ではあると思う.しかし,万人向けの内容ではない."高校などで数学を一通り学んだものの,最近は数学にあまり触れていない人"にとっては 非常に魅力的な内容であるが,数学なんて…という人は読み辛い本である. 本文では,はじめに「論理的思考能力」が現実を生き抜くために重要であることを短く述べ, "論理的に考える"とはどういうことかを示すために「四角形の定義とは?」「数直線とは何か?」 といった疑問に答えていく.そして,それが最後まで続く. この数学的な定義を考える話の後に,現実世界における論理的思考の例でも あればより万人向けになったであろうが,数学的な定義の話だけで一冊が終わってしまうと, 読んでいて面白いと感じる人は限られてしまうだろう. しかし,数学をかじったことのある人にとっては, 「sin関数のプロットはTaylor展開によって行われている」等の話題は 非常に興味深い話ではないだろうか. 数学の魅力を伝えている本文の内容をもっとよく示した題名であったなら、 印象も変わっていただろう。 そういうわけで,読む人にとっては面白い本であるとして星3つである.
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