今や「ゴスロリ作家」として、またワーキングプアの方々との共闘で有名な雨宮処凛さんの自伝。いじめ、ヴィジュアル系バンドの追っかけ、右翼団体への参加、イラク行き、北朝鮮行き…これだけのことを25歳の時点で経験し、なおかつ死なずに生きている。それだけだって凄まじいことなのに、それぞれの時点の自分の気持ちを、きちんと客観視できているのがすごい。
そして、1975年生まれの雨宮さんが前半、執拗に描き続ける不安感や閉塞感は、思えば同時代人の私もまた、同じように感じ取っていたことだった。私は雨宮さんのような行動力も能力もないから、その解決策をもっぱら読書に求めたのだが、雨宮さんはそこで右翼団体に入ったのだった。私は右翼に惹かれないが、その気持ちはとてもよく理解できる。少なくともそのつもりではある。
これから大人になっていくひとたちにとって、この本は一種の「ワクチン」になるかもしれない。そして今深く心に傷を負っている大人にとって、この本は生きる力を与えてくれるだろう。
この人を見よ!