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生きる (文春文庫)
 
 

生きる (文春文庫) [文庫]

乙川 優三郎
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

第127回(平成14年度上半期) 直木賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

藩衰亡を防ぐため、家老から追腹を禁ぜられた又右衛門。跡取りの切腹、身内や家中の非難の中、ただひたすらに生きた十二年を問う
--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 261ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2005/01)
  • ISBN-10: 4167141647
  • ISBN-13: 978-4167141646
  • 発売日: 2005/01
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 支えになるもの, 2002/8/28
レビュー対象商品: 生きる (単行本)
 順調だった人生が崩れ、不幸の波が押し寄せる。けれども最後に救いがあり、味わい深い。久しぶりに読後の余韻に浸った。

 第127回直木賞に選ばれた乙川優三郎(おとかわ・ゆうざぶろう)氏の「生きる」(文芸春秋刊)。3つの時代小説が収められているが、その表題作を紹介したい。

 藩主の恩に報いるために「追腹(おいばら)」(=殉死)をせねばと覚悟していた男が、家老と密約を結んだために思いとどまる。事情を知らない人々にさげすまれ、その影響は家族にも及び、息子や娘の夫が自殺してしまう。体が弱かった妻も苦労の果てに亡くなる。娘は夫を失ったショックで気が触れてしまい、行方不明になる。

 男は愚直なまでに密約を守るが、一方で次々に見舞われる不幸や周囲からの誹謗(ひぼう)中傷におののく。強く生きてゆく自信や気概が失せ、ついには病に伏せる。

 〈どうせ恥辱に塗れたまま死ぬのだから、恨みつらみを吐き出してやろう〉。男は密約を迫った家老に宛てて手紙を書き始める。が、そうするうちに見えてきたのは自分の弱さだった。〈何もせず、ただ恐れ立ち尽くし、嵐が去るのを待っていただけではないか〉。男は尊厳を取り戻し、胸を張って生きるようになる。しかしその後も、男に対する中傷はやまなかった…。

 物語は感動的な結末を迎える。その始まりと終わりを菖蒲(あやめ)が暗示する。

 菖蒲は男の家で、幸運をもたらす花とされていた。その生育が例年になく遅れていることに、男は不吉な予感を持つ。果たして悲劇が始まる。結末近くでは、雨上がりの庭で、男が菖蒲を眺める。

 メリハリに満ちているわけではない。1人の男の生きざまが淡々と描かれている。決して格好良くはない。それがかえって、さもありなんと思わせる。

 現代に追腹はないけれど、理不尽と思えることに耐えなければならない局面はある。そんなとき、人は何を支えに生きてゆけばよいのか。示唆に富む秀作である。

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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 時代を超えた時代小説, 2005/8/18
レビュー対象商品: 生きる (文春文庫) (文庫)
「逆境の中にあってもなお組織や社会に生きる人間は、一体何を支えにするものなのか。」武家社会という舞台を借りた小説「生きる」の持つ深みは、この時代を超えた問いに対する、筆者の真摯な取り組みから由来しているものでしょう。収録作品全般を通じ、緻密な風景描写、説得力ある心理描写、そして風景と心理の自然な絡み方が読んでいて心地いいです。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 これは凄い!こんな作家がいたんだー?, 2008/7/28
レビュー対象商品: 生きる (文春文庫) (文庫)
これは誰もが納得の直木受賞作品でしょう!
気になってここ10年の受賞作を遡ってみたのですが、この作品は完璧にダントツ。

今や大御所の、
 浅田次郎「鉄道員(ぽっぽや)」1997年 や なかにし礼「長崎ぶらぶら節」1999年 や  山本一力「あかね空」2001年にも 全然勝っています。

この本に収まっている中篇3作とも それはそれは“深い”内容。
“人間は如何に生きるべきか”を切々と語り、「これぞ侍!」と思わず涙ぐんでしまう、絶品3作!!

今回で同著者3冊目。当初「藤沢周平文学」をこの作家に求めていた。
しかし、これを読んで考えが変わった。
「乙川さんは乙川さん」それが解かった。

■「生きる」:
切腹を許されず辱めを受けながら、それでも“生き続けなければならない”武士の悲哀。

■「安穏河原」:
“武士の尊厳”を貫き通した為に今日の飯も食えず泥まみれに働く元・郡奉行。しかも妻の薬代の為に娘を女郎屋に売ってしまう。が・・・

■「早梅記」:
10石軽輩の頃から二人で苦楽を共にしてきた大切な端女を野心の為に解雇し、筆頭家老にまで成り上がった武士。隠居の身となり長い一日を過ごす中、考えることといえばあの娘のことばかり。


■お薦め度:★★★★★
これを読んで「面白くない」という人がいたら、それがし 本代をお返しいたす。
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