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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
現場からの哲学,
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レビュー対象商品: 生きる哲学 トヨタ生産方式―大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書) (新書)
これからの日本は製造業から抜け出し、新しい産業構造を目指さなければ生き残れないという議論がある。しかし、すべての製造業が日本から消えることはない。これからの日本の製造業が世界を相手にそこそこに生き残っていくためには、「知恵」をつけるしかない。「トヨタ生産方式」の本質は、人間尊重の「知恵」にある。人間を尊重し、どうすれば人を育てられるか。どうすれば人を幸せにできるか。それを考え、実現するための知恵、それが「トヨタ生産方式」の本質であるように思う。まさに、「生きる哲学」でもある。 この本は、「トヨタ生産方式」を生み出した大野耐一、それを前線で実行した鈴村喜久男、それを広めた張富士夫の3人の下で薫陶を受けた著者による。先の3人はそれぞれキャラが立っていて、読み物としても面白い。著者が入社して間もない頃から物語は始まるので、若い人が読むとやる気が出る、自己啓発的な本でもある。 逆に、「トヨタ生産方式」をタクティクスとしてのみ導入しようとしている人が読んでも、参考にはならないかもしれない。この本が伝えるのは、「トヨタ生産方式」の小手先の技術ではなく、その根底に流れる「哲学」である。 たまたま私が、文系出身で現在メーカーの工場で生産に近いところで働いているという、著者の境遇に近いところが多かったので共感する部分は多かった。そのため、少し過大評価している面はあるかもしれないが、現場からずっと「トヨタ生産方式」を参与観察してきた著者の「知恵」に学ぶところは多いはずである。 製造業以外の分野でも「トヨタ生産方式」を導入し、業務の「カイゼン」を図っている企業が増えつつあるという。どのような業界の、どのような立場が読んでも、何かしら得るものは必ずある本であると思う。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
感動するとは思わなかった。,
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レビュー対象商品: 生きる哲学 トヨタ生産方式―大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書) (新書)
本書の主な登場人物は4名。まずはトヨタ生産方式の産みの親、大野耐一氏。大野氏の哲学を具現化した鈴村喜久男氏。それらを普及させた張冨士夫氏。そして3者に教えを受けた著者の岩月伸郎氏である。本書はトヨタ生産方式の教科書というよりも、むしろこの方式を産み育てた人々の人間ドラマである。 トヨタ生産方式を項目ごとに説明する体裁を取っているが、それと同時に岩月氏がこの方式を学び、実践していく課程がストーリーを形成している。 話は岩月氏が入社後まもない1970年に始まる。 トヨタ生産方式の象徴であるジャストインタイムやカンバン方式は、多くの人には、直感的に効率の悪い方式に見えるだろう。工場に指導にきた鈴谷氏に対して、岩月氏も端材を残す定ロット化に疑問を呈した。その場では鈴谷氏に怒鳴りつけられたのだが、真剣に反応したことを評価され、彼らのグループに組み込まれた。 本書では岩月氏の経験を例に、トヨタ生産方式を説明していくため、文面に3人の師匠の人柄が色濃く表現されている。 大野氏は器が大きく、鈴谷氏は直情型で、張氏は穏和でねばり強い精神の持ち主である。3人ともキャラが立っており、かつバランスが良い。 数ある逸話の中で取り分け印象に残ったのは、合理化の成果を刈り取るため、効率が上がった分だけ外注作業を内作に取り込むくだりである。外注先は家族4人で経営する零細企業である。そのまま外注を止めれば間違いなく潰れる。岩月氏らは彼らを路頭に迷わせぬために、他の勤め先や取引先を一緒になって探す。浪花節である。トヨタ生産方式の本で、まさか感動するとは思わなかった。 トヨタ生産方式は人を大事にする方式である。綺麗事に思えるかも知れないが、日本の製造業の優位性は現場の作業者が自ら知恵を出すことだ。彼らは単なる肉体労働者ではない。その現場の知恵を最大限に引き出すのがトヨタ生産方式なのだから、人を大事にするのも当然なのだろう。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
世界に通用した日本人発の哲学書,
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レビュー対象商品: 生きる哲学 トヨタ生産方式―大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書) (新書)
本書は生産方式という製造現場を対象にしていますが、まさに人間が生きるために(より良く生きるための)哲学書です。戦前は田中智学、中柴末純等の哲学が展開されましたが、世界には受け入れられず、敗れました。トヨタの哲学は現在製造を志す世界のバイブルになっています。この素晴らしい哲学を少しでも多くの人に知ってもらいたいと思います。日本人にもこういう哲学を世界に発信する力があるのだということを!特に政治の世界で世界に発言できない人たちに特によんでもらいたいと思います。言葉ができなくても、このように見事に花を咲かせた哲学のこの国に在ることを!
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