「心は実験できるか」という本にも解説されていますが、虚偽記憶について研究したロフタスに言わせると、この本は「虐待されたと思っているなら……虐待されたのだ」と宣言する本であるそうです。
記憶の有無は関係なく、自分や他人に虐待されたことを証明する必要もなく、大切なのはどう感じているかだと言う。
ロフタスがフランクリン親子の裁判で抑圧された記憶の妥当性に対して反論する数年前に原著が出版されました。
一部のセラピストによって“ニセの”虐待された記憶を植えつけられたと思われる、子が親を告発するという裁判が1970年代から1980年代にかけてのアメリカで流行っていますから、その後期に出版され大ベストセラーとなった、ということになります。
この本はロフタスにとって「完全なる偽物の記憶を生み出せる」という実験を成功させる、きっかけの一つになったとも言えるかもしれません。
虐待とは何かについて考察するには良い本だと思います。