職場でも家の周りでも、ウツといわれる人をよく見かけるようになりました。その人たちと話す時は、言うことに気を使います。また、努めてただ聞こうとしています。でも、つい無意味な助言や励ましを言ってしまい、愚かな自分を責めることがあります。その挙げ句に自分も疲れ心も萎えます。ウツに近づく自分を感じます。本書の言う通り、自分が健康であることが本当の介助になるのだと自戒することが良くあります。
ウツの対処法として、著者が勧めているのは、自分の内側のネガテイブな気持ちに居場所を与える。否定しない。ということです。自分の中のつらい感情を、そこにあると認めて、観照していく。そのウツ感情を克服したり追い出すのではなく、自分と少し距離をとって、ただそのまま自分の中にあることを認めて、上手く付き合っていく方法です。
ウツの人と話していると、何事もセネバナラナイと考える傾向、病因を考えすぎる傾向、プライドを捨てきれない傾向、自分に課すハードルが高すぎる傾向などがあることを、著者の言うとおり確かに感じます。このような傾向の人が、著者の言うことを認めるのは簡単ではないなと思います。病気の人が本書を読んで、この方法を具体的にどう実現出来るのか。気づくのは自分としても、そこに至るには他者の力が絶対に必要だと思いました。
ウツの人と関わる者にとっては、ウツ病回復の方向性と目標地点を明確に書いている本書は、一読の価値があります。