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生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)
 
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生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫) [文庫]

小川 洋子 , 河合 隼雄
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

人々の悩みに寄り添い、個人の物語に耳を澄まし続けた臨床心理学者と静謐でひそやかな小説世界を紡ぎ続ける作家。二人が出会った時、『博士の愛した数式』の主人公たちのように、「魂のルート」が開かれた。子供の力、ホラ話の効能、箱庭のこと、偶然について、原罪と原悲、個人の物語の発見…。それぞれの「物語の魂」が温かく響き合う、奇跡のような河合隼雄の最後の対話。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小川 洋子
1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞、1991年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞を受賞。多くの小説やエッセイを発表している

河合 隼雄
1928年兵庫県生まれ。臨床心理学者、京都大学名誉教授。京都大学理学部数学科卒業後、アメリカ留学を経て、スイスのユング研究所で日本人初のユング派分析家の資格を取得、ユング分析心理学の日本の第一人者となった。『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵夢を生きる』(新潮学芸賞)ほか、著書多数。国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。谷川俊太郎、村上春樹、佐渡裕など、作家・音楽家とも深い交流を持ち、幅広く活躍した。2007年7月19日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 151ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/02)
  • ISBN-10: 410121526X
  • ISBN-13: 978-4101215266
  • 発売日: 2011/02
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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By 東の風 トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 2007年7月19日に亡くなられた臨床心理学者でいいのかな? 河合隼雄(かわい はやお)と、作家・小川洋子の二回にわたる対談(『魂のあるところ』と題された2005年12月15日のものと、『生きるとは、自分の物語をつくること』と題された2006年6月15日のもの)と、小川洋子の『二人のルート 少し長すぎるあとがき』を収めた一冊。

 ふたつの対談のなかでは、河合先生のカウンセリングや「箱庭療法」を行なった際の忘れがたい出来事、日本が世界に誇る『源氏物語』のこと、欧米と日本の文化・宗教・人生観の違いなどについて、ざっくばらんに、でありながら、実に深いところまで掘り下げて語り合っている第二回目のものが印象的でしたね。ヴァイオリンとピアノの滋味豊かな、味わい深い二重奏に耳を傾けている、そんな心持ちになりました。

 <河合隼雄先生の追悼特集となってしまった二〇〇八年冬号の『考える人』が送られてきた時、私は思わず表紙に向かって、「先生」と声を掛けそうになりました。>の文章からはじまる、本単行本書き下ろしの小川洋子のあとがき。これがまた思いのこもったもので、何度か目頭が熱くなりました。

 本書のほか、『科学の扉をノックする』『世にも美しい数学入門』『小川洋子対話集』など、小川洋子のインタビュー・対談集は読みごたえがありますね。お互いの思いが共鳴し、深く和するみたいな、透明な青空に「カーン!」と冴えた音が響くみたいな、そんな対話の雰囲気が素敵です。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
05年12月15日と06年6月15日の対談、そして河合さんが07年に他界したので予定していた3回目の対談を補うように小川さんが対談を総括し河合さんの思い出を綴った「少し長すぎるあとがき」の3部構成。

小川さんは「物語の役割」で、自分は既に存在している物語を書きとめると述べているが、河合さんのカウンセリングの方法と似ていることに驚く。即ち、患者に寄り添い、患者自身が自分の物語を形成するのを見守るだけだとする。そして、死への恐怖が物語を生みだすこと、キリスト教の体系の下で本格的な物語が想像されるのが遅れ、日本の平安時代の女性が優れた小説家となり得た理由は何か、等の物語論が展開される。

しかし、日本ウソツキクラブ会長である河合さんの語りは優しくユーモアに富み、真摯な意見交換がなごやかに行われた様子が手に取るようにわかる。高度な知がやさしく説かれた本書はお薦めだ。

また、河合さんが「博士の愛した数式」の愛好者で、著者本人が気づかなかった物語の含意を指摘するのも面白い。

巻末の河合さんの笑顔の写真が背中を押してくれる本だ。
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Dolly the Cat トップ50レビュアー
形式:文庫
 『博士の愛した数式』の愛読者だった河合さんと、以前から河合さんの著作を読んでいた小川さんの、完璧な数式のように美しい対談集。「分けられないものを明確に分けた途端に消えるものを魂という」(河合先生)、「あまりにも「個」にばっかり執着してると、何か行き詰ってしまう」(小川さん)。やり取りされる言葉がすでに詩になっていて、その美しさと深さに胸が打たれる。

 次は、ユング心理学の集合的無意識、ブラフマンについて話しましょう、と河合先生は言ったのに、その二ヶ月後に先生は倒れ、翌年2007年に逝去。実現しなかった三回目の対談、語られなかった物語もまた、痛いほどに伝わってくる。

 『二人のルート』と題されたあとがきで、小川さんは、「誰かの心を支えるために必要なその物語が、間違いなくこの世に存在していることを証明する」のが「私の書く小説だ」と綴っている。それは、小川さんがずっと言い続けてきたことだけれど、河合先生の影響も大きかったに違いない。いつか小川さんは、実現しなかった対談を物語にしてくれるかもしれない、と期待する気持ちになった。
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