あやしい都市伝説がささやかれる大学病院で、ケータイ片手に次々と、十八人の若者たちが逝く─。第五十二回岸田國士戯曲賞である本作品についての選評を、以下に抜粋紹介しよう。
「徹底しているというか、観客をばかにしているというか、とにかく破天荒な戯曲」(井上ひさし)
「生に対する思いの低温ぶりが前田氏の味といえば味なのかもしれないが、結果、軽々と虚構へ邁進する」(岩松了)
「『死』ではなく『死に方』に関する見事な不条理演劇」(鴻上尚史)
「相変わらずの脱力系だが、作者の主観により牽引する手法を封印したことで、実力を証明した」(坂手洋二)
「登場人物がただ次々と死んでゆく。ひねりも伏線もない、恐るべきワンアイデアなのだが、『よけいなことしなくてよかったね』と、むしろこれを讃えたい」(永井愛)
「人々を深刻に死んではいかせない姿は、この作家のとぼけの真骨頂」(野田秀樹)
「ベケットの言語からも、別役実の言語からも逃れえた不条理劇」(宮沢章夫)
選考会で賛否両論を巻き起こした話題作を、ご堪能あれ。
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