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55 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
伏せ字の箇所をしっかり読んで欲しい,
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レビュー対象商品: 生きている兵隊 (中公文庫) (文庫)
戦前に発禁を食らった大変有名な作品。是非、どこが伏せ字になっていたのかをじっくり読んで検討して頂きたい。ほとんど意味不明の作品になっていたことが改めて納得されるだろう。日中戦争の批判というよりも、戦場に借り出された兵士がいかに残虐な人間に変身してしまうのか、その恐ろしさを描いている作品のように思われる。しかし、文学作品の評価をするのに、イデオロギー的な観点から「参考になった」「ならない」とつけるのは、正当な評価ではないのではないか。内容を的確に紹介しているのに、「反日的だから」といって「参考にならない」という評価をつけるのは間違っていると思うのだが、いかがであろうか。
37 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いかにして兵士は狂気に染まるか,
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レビュー対象商品: 生きている兵隊 (中公文庫) (文庫)
戦中に書かれた作品であり、おそらく反戦とか反日とかは全く意識していなかったと思われる。人間として兵士をとらえる、その兵士の気持ちになってみる、そういう視点で書かれた作品ではないだろうか。そして真に迫りすぎた上、発禁になった。そういう本だ。
南京大虐殺関連で「大殺戮の痕跡は一片も見ておりません」という否定派としての言質がとられているが、その人がここまで描いていた、という点に注目すべきであろう。「大」虐殺ではないが、虐殺は描いているのである。よき夫であり父である心優しき人たちが、いとも簡単に非戦闘員の命を奪っていく。それはやはり狂気だ。いかにして兵士は狂気に染まっていったのか。その描写が真に迫る。 戦時下だなぁ、と思わせたのは、南京を落とした後、転戦していく兵士たちの士気が高いように描いている点。首都・南京を落とせばこの戦争に勝てる、故国に帰れる、だから兵士たちはがんばっていたはずだ。南京を落としても戦争が続くことに兵士たちは落胆していたはずである。士気が高いままであった、というのはウソだろう。著者は戦意の高揚をねらってこの本を書いたのである。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
南京攻略戦における戦場心理の描写,
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レビュー対象商品: 生きている兵隊 (中公文庫) (文庫)
本書は十二烈士の甥に当たる芥川賞作家(1905〜85年)が画一的な戦争報道に反発し、1938年1月5日から8日間の南京での取材と4日間の上海取材の後、2月上旬のうちに書きあげ、「あるがままの戦争の姿を知らせることによって、勝利に傲った銃後の人々に大きな反省を求めようと」、一部伏字で(本書の傍線部)『中央公論』3月号に発表した、南京攻略戦を描いたルポルタージュ文学の傑作である(翌日同誌は「反軍的内容」ゆえに発売禁止となり、作者は起訴され禁固刑を宣告された)。本書の前記には、検閲ゆえに「未だ発表を許されないものが多くある」ため、「実戦の忠実な記録ではな」いと断り書きがあるが、「作中の事件や場所は、みな正確である」と本人が回想しているという(半藤一利解説)。本書は、太沽から寧晋、大連、そして揚子江を遡上して支塘鎮、古里村、常熟、無錫、常州、丹陽、湯水鎮を経て南京に進軍した高島本部隊に焦点を当て、彼等による食糧の現地徴発=掠奪や、民間人への暴行・虐殺を表向き「正当な理由を書きくわえ」て叙述すると共に、兵士たちの戦場生活における「人間として」の心の葛藤を細やかに描く。たとえば、筆まめな倉田少尉は真剣な苦悶の末、「敵の命を軽視することからいつの間にか自分の命をも軽視するに至」り、堂々たる軍人となってゆく。笠原伍長は戦友への愛情のほかは、淡々と自分の業務をこなしたが、それは乱暴と紙一重であった。他方、医学士の近藤一等兵は安易に悪く戦場馴れした結果、怠惰な兵となる一方、発作的に残虐行為に走る傾向を持った。平尾一等兵もそのロマンティシズムの崩壊に際しての狂暴な悲鳴として、やや自棄的・嗜虐的な勇敢さと大言壮語癖を身に付けた。このように本書は、「普通の人間」が戦場において残虐行為に走ってしまう心理状態について、的確に描写をしており、その意味で一読に値する本である。
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