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143 人中、129人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
叫ぶことは恥ずべきことではない,
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レビュー対象商品: 生きさせろ! 難民化する若者たち (単行本)
本書で度々指摘されているように、フリーターやワーキング・プア等の若年労働力を巡る問題を複雑にしているのは、彼らのプライドに関わるデリケートな部分である。本書のタイトルのように「生きさせろ!」とストレートに叫ぶことを彼らの多くは忌避するし、むしろそう叫ぶものを侮蔑することで自らの優位性を確認する。「社会のせいにしたくない」という台詞は、この世代が大人になる過程で刷り込まれた「中流的」プライドが吐かせるギリギリのつぶやきなのだろう。そのような彼らの心のタガをさらに固めるものとして、自己責任論や「犠牲の累進性」を強調する言説(典型例として曽野綾子「貧困の光景」を挙げよう)が存在する。「第三世界の貧困」を「餓死するものがいない」日本の現実と対比させることで、彼ら・彼女らはアフリカの不幸を嘆いているのではない。現代日本の貧困を糊塗し、追い込まれている人たちをさらに追い詰めているのだ。「フリーターになったのは自己責任。三食欠かすわけでもなく何を甘えているのか」と。 しかし、一人一人がフリーターにならない努力をしていれば、世の中にフリーターという存在はいなかったのか?そうではない。初めからそのような労働力の存在が期待されていた中で、たまたま彼らがその役割であっただけなのだ。つまり、「誰か」がフリーターであることは、そんな「誰か」の自己責任ではない。彼でなくてもまた別の「誰か」が彼の代わりにフリーターをしていただけの話である。そんな当たり前の事実を本書を通して多くの人に共有してほしい。
128 人中、109人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読んだ方がいい,
By ロラ (東京都荒川区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 生きさせろ! 難民化する若者たち (単行本)
著者の静かな怒りが伝わってくる本です。フリーターというと、学校では「無責任な人」や「自由を謳歌している人」と教わった記憶しかありませんでしたが、この本を読んで実情はそんなお気楽で生ぬるいものではないということがよくわかりました。一時期とはいえ、そんな戯言を信じていた自分を恥じたくなりました。 この本では若者が直面している問題の事例が多く紹介されていますが、最も私の印象に残ったのは過労自殺の事例でした。ここは、雇う側の行いの不誠実さが特に酷く、読んでいるだけで鬱になりそうです。「どうするべきか?」を考えるくらいしかできない自分が悔しいくらいです。フリーターなどの当事者は自分を恥じる必要は全くないし、非当事者はこの問題を他人事で終わらせてはいけないし、ましてや当事者をバッシングするなど言語道断だと思いました。 雇う側はこの本を読んでもどうせ何も感じないでしょうから、当事者はぜひこの本を読むべきです。非当事者は、この本を読んだだけでは当事者の為に実質的に何もできないけれども、ならばせめて訳の解らないバッシングをしない誠実さを持つ為にも、この本を読んだ方がいいと思います。
97 人中、81人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
この国の「生きにくさ」の実相に迫る,
By やなぎ (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 生きさせろ! 難民化する若者たち (単行本)
ここ10年来のこの国のあり方に「どこかおかしい」と感じてきた人、自身「生きにくさ」を感じている人には必読の書。日々感じてきた「?」が氷解するはずです。「世界一豊かで平等な国」だったはずのこの国が、たった十数年の間にどれだけ変わり果ててしまったのか−その核心を知ることになるでしょう。その内実のあまりの重苦しさに、怒りを通り越して絶望感すら覚えます。今や全雇用労働者の3分の1を占めるに至った不安定雇用労働者や過労死と隣り合わせの正社員の実相に迫る力作です。この本を読んで今の日本社会の抱える矛盾をこのまま見過ごしてはならないと思った方は、「ではどうすべきか?」と、さらに思考を一歩先へ進められることを期待します。
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