勇気と知恵ある一人の人間の記録。
人間が、生かされていること、そして人生には意味があるのだ、と思い知らされる本。
親友が見捨て、隣人が殺戮鬼となる中、いつも希望を持つことに全力を傾けた彼女。
フツ族の牧師のクローゼットほどのトイレに、7人の女性とともに彼女を追う声を
聞きながら3ヶ月。
父のロザリオを片手に、英語を学び、未来を信じ、恐怖と戦い、祈りの中に平安を見いだす。
フランス軍キャンプに着き、初めて知る家族たちの死の様子。
彼らの冥福を祈りながら、通訳を務め、更に解放軍キャンプへ。
直面した殺人者に必死に愛のメッセージを送って凶器を下ろさせ、彼らの為に祈り、
奇跡的に命をつなぎとめていく。
「偶然」はない。それは、説明のつかない「必然」である。
殺戮者を許し、愛するために祈るひと。
こんなことが、我々にはできるだろうか。
これは1994年に起こった実録である。
権威のあるところから聞いた話を鵜呑みにし、ラジオの喧伝放送に踊らされる民衆の姿は、
この時代にあってすら、一触即発で、どこでも殺戮現場と化してしまう可能性のあることを
示している。
未来はわからない。
これと似たようなことは、明日にでも、ここで起こるかもしれない。