登録情報
|
読み終えたあとはただただ気怠く
暗い満足感を覚えるばかりでした。
大正ロマンやレトロ感を感じたい耽美な方には
最適な読み物かと思われます。
異常なほどかわいらしく華奢な容姿でありながら、モイラの内面はおそろしいまでに頑丈である。自分の美貌が、言動が、行動が相手を破滅に追いやったとしても、モイラはまったく動じないし、面白そうにその様子を眺めていることすらある。
義務、道徳、罪悪感から完全に自由の身であるモイラは、自分の好ましいと思うことだけを気の向く時にだけやって過ごすという、現代を生きる私たちにとっては「ありえない」事を日常として生きている。
「21世紀の日本の(平等な)社会」に慣れた人が実際にモイラを見ればかなりの嫌悪感を抱くだろうことは確実である。しかし不思議なことに、この本を読む限りでは間違いなく私たちはモイラの虜になってしまう。モイラを知って破滅していった男たちと同じに。
モイラをはじめとする描写の端々にうつくしさがみなぎっている作者の力は見事というほかはない。
「あとがき」では3人の森茉莉に関する文章が収められており、小説からはうかがい知ることのできない作者の一面を知ることができてこちらも興味深い。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|