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瓦礫の中から言葉を―わたしの<死者>へ (NHK出版新書 363)
 
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瓦礫の中から言葉を―わたしの<死者>へ (NHK出版新書 363) [新書]

辺見 庸
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

3・11後、ますますあらわになる言語の単純化・縮小・下からの統制。
「日本はどのように再生すべきか」・・・発せられた瞬間に腐り死んでいく
これらの言葉に抗して、<死者>ひとりびとりの沈黙にとどけるべき言葉とはなにか。表現の根拠となる故郷を根こそぎにされた作家が、それでもなお、人間の極限を描ききった原民喜、石原吉郎、堀田善衛らの言葉を手がかりに、自らの文学の根源を賭け問う渾身の書。

内容(「BOOK」データベースより)

3・11後、ますますあらわになる言語の単純化・縮小・下からの統制。「日本はどのように再生すべきか」…発せられた瞬間に腐り死んでいくこれらの言葉に抗して、“死者”ひとりびとりの沈黙にとどけるべき言葉とはなにか。表現の根拠となる故郷を根こそぎにされた作家が、それでもなお、人間の極限を描ききった原民喜、石原吉郎、堀田善衛らの言葉を手がかりに、自らの文学の根源を賭け問う渾身の書。

登録情報

  • 新書: 200ページ
  • 出版社: NHK出版 (2012/1/6)
  • ISBN-10: 4140883634
  • ISBN-13: 978-4140883631
  • 発売日: 2012/1/6
  • 商品の寸法: 17.4 x 11.5 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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2011年4月放映のNHK教育「こころの時代」・『瓦礫の中から言葉を』の内容をベースにしつつも、大幅に加筆されている。
3.11以後を著者がどのように語るかと待っていたが、ピタリと止まった著作活動をいぶかしく思っていた。詩集「眼の海」の執
筆にあたって、ひどい抑うつにおちいり、夏をぼうにふったと後書きで述べている。この本はそのあとに書き上げられた。これ
までの著書と比較すると、初出なのに文庫本であり、かつ粗い印象があるのはそのせいかと思った。

本書でも語られているのは、「言葉」について。震災後に世の中を覆った「言葉」を詳細に検討しつつ、その得体の知れない気
味悪さについて語っている。
若い記者とのやりとりに触れて、筆者は「言葉がもっとも相手によく届くのは聞き手と語り手が全くの個であるときだけ」とし
て、大震災後の言葉の名状しがたい気味悪さを「言葉が集団化したから」としている。

この前、市長になった男の言葉もまた、集団化しているからだろうか。とても気味が悪く、そして世間受けが良い。
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51 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By フューラー VINE™ メンバー
震災以後、私たちを甘美な言葉が包みこんでいる。もはや、実例を出すまでもない。
石巻出身でもある作家、辺見庸はそれに対して常に疑念を呈してきた。一方、そんな彼に対しても、冷や水を浴びせるな、
という批判があるのも事実だ。
だが、辺見が紡ぐ言葉は果たして、人間の偽善性を追求し、ひたすらに私たちの言葉から「美」を剥離させることで
私たちの意欲に冷や水を浴びせる「だけ」のものなのだろうか?

本書は、辺見が震災後に取材を受けたNHKの番組を基に書き下ろした一冊だ。彼の言葉は相変わらず、一切の容赦がない。
私たちが「安心」して受領し、発信する言葉の数々を辺見は躊躇いなく斬り捨てていく。
それに対する反発もあるだろう。いや、無ければおかしい。こんなに悲惨な状態を前にして辺見が放つ言葉は
「人間存在というものの根源的な無責任さ」であるようなものだからだ。

だが、私は辺見のそういった言葉の数々に限りない「癒し」を感じるのである。彼の言葉は人間の本来の姿を暴き立てている。
だからこそ、この一年近くの間に隠蔽され、恥ずべきものとされた人間存在の本来の姿、それを掲げて絶叫するのと同時に静かに諭すような
辺見の言葉が輝く。

この書は、3.11から一年をあと数カ月で迎えようとする我々が開くべき、新たなる言葉へのカギのような気がする。
2012年が始まった。新年とほぼ同時に私は、本当に言葉と向き合い続け、言葉を前に葛藤してきた一人の男が
未だ、それを止めていないという事実に、限りない可能性を感じるのだ。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By フォーク世代 トップ1000レビュアー
Amazonが確認した購入
筆者は宮城県石巻出身の作家である。宮城県石巻市は仙台市から車で約1時間
のところに位置しており今回の震災、津波で約3800人の死者・行方不明者
がでており宮城、福島、宮城の3県の市町村で一番の犠牲者を出している。
筆者の友人、知人、友人の母、祖母らが含まれてるが、筆者自身、脳出血の
後遺症で右半身が動かず、被災地に駆けつけ友人、知人を助けることができない、
そのかわり、今回の出来事を深く感じ取り、考えぬき、予感し、「言葉」として
うちたて死者たち、失意の底に沈んでいる人々に届けたいと決意する。
また福島第一原発から放射能セシウムは広島に投下された原子爆弾の168個分
に値するという記事は日本の報道機関すべてが伝えた。しかしこの記事には事実
と数値はたっぷりあるが生身の人として感じとる言葉がない、言葉と実体の断層
がある、内面の言葉が必要でることを指摘している。被災者が望んでいるのは、必
要な生活条件、原状の回復そして事態の深みに迫ろうとする胸の底に届く「言葉」
ではないだろうかと筆者は本書で思いを語っている。
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