「環境思想」について、体系的・網羅的に記述されているので、この分野に初めて接する読者にとっては、入門書としていいと思います。
ただ全体的に抽象的なキーワードが羅列され、表面的な説明がなされているだけなので、深い理解は得られません。また各章で似たような内容の事柄が繰り返されているので、やや退屈です。
一番の問題点は著者の日本語です。言葉遣いが堅く、一文が長いので、非常に読みづらいです。また文法上の間違い(特に助詞の使い方)が多く、文章の論理構造が不明瞭なので、文意をつかむことが困難です。一例を挙げると、
「そこで、われわれは、環境思想を市民生活と密接に関わる環境思想領域のエコロジー化によってもたらされる新しい学問領域、すなわち、環境政治思想、環境経済思想、環境文化思想、環境法思想、等を有機的に統合化させることによって、これらの環境思想の現代的な視点と今後の方向性について示唆していくことにする。」(p199f)
「われわれは、環境思想を」の部分はどこにつながるのでしょうか。「環境思想領域のエコロジー化」とは何のことでしょうか。著者の言いたいことはなんとなく想像できるのですが、こういう文章が頻繁に出てくるので、非常に疲れます。