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環境に拡がる心―生態学的哲学の展望 (双書エニグマ)
 
 

環境に拡がる心―生態学的哲学の展望 (双書エニグマ) [単行本]

河野 哲也
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

心は身体である、内的な意識ではない。ギブソンの存在論に依拠し、固体主義的な心の概念を乗り越える。心=主体とは何か。その概念を提示する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

河野 哲也
1963年東京都に生まれる。1995年慶応義塾大学大学院文学研究科博士課程(哲学専攻)修了。玉川大学文学部助教授、博士(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 258ページ
  • 出版社: 勁草書房 (2005/06)
  • ISBN-10: 4326199113
  • ISBN-13: 978-4326199112
  • 発売日: 2005/06
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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心を開く哲学 2006/4/27
By ソコツ トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
「自分で自分の声を聞く」。それが人間の心であり、私の内面である。そういう思い込みを徹底的につぶすために、著者は格闘する。本書は、その格闘のプロセスの記録である。結論はまだない。

アフォーダンス理論を最大の武器として、メルロ・ポンティの現象学的身体論や昨今いちじるしい進化をとげている認知科学研究や共同学習論の知見、(ポスト)構造主義のテクスト論やバフチンによる相互応信としての発話といった発想、そして現代における動物観の問い直しなど、様々な飛び道具を駆使しながら、デカルト哲学に代表される、環境・自然・身体から独立した「心」=「私」があるという幻想を破壊していく。テーマを微妙に変化させながら議論がめまぐるしく展開していくのだが、目的意識が明確なので読みやすい。

周囲の環境に満ち溢れる意味を発見しながら身体を動かし続けるという出来事、その流れのなかに生命があり心があり私がある。何とも開放的ではないか。自分の心がいまここだけでなく、あっちにもこっちにも、あの人たちのなかとそとにもあるのだと意識するようになる。コミュニケーションとは、個人間の情報のやりとりではなく、何らかの「作品」らしきものを共同で創造する営みである、とか、三谷幸喜のドラマみたいなわきあいあいさがただよっていて、いい。あるいは、目的達成のために特定の作業をこなす人間の主体性とは、「あるか、ないか」と割り切れるものではなく、一緒にいる他人や手近な道具やまわりの環境とのかかわりをふくんだ、連続的で量的なものである。私が「できる、できない」という自慢と自虐の迷宮からの脱出口が、はっきりと見えてくるのが素敵である。
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By kidd
形式:単行本
自閉症児の例を突端に心のあり方を考察している。アフォーダンスの概念を軸に心を捉える。見所はやはり、最終章、第5章の自由についてだが、著者の言いたいことはよめばなんとなくわかるが説明の仕方がなにか著者自身の言葉として、獲得されていない感じにマイナス星一つ。というのも、ここがもっとも大切な箇所であり、ここの説明にもっとページを割き、力を入れてほしかった。なにか、ここの最終章で核心がすこしぶれてしまっている感じもいなめない。「アフォーダンス」佐々木 正人と合わせて読むともっとわかりやすいと思う。
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8 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トシ
形式:単行本
Googleで「心はあるのか」と検索すると、まず、橋爪 大三郎著・ちくま新書の『心はあるのか』がかかる。

それから、「犬に心はあるのか」「ロボットに心はあるのか」、自閉症に関する洞察の「内面はあるのか」等のページが見つかる。

私たちが当然のように思っているひとりひとりに固有の「心」というものが、本当に間違いなく存在しているのか? これは決して容易い問題ではないことに気付く。

キリスト教世界で、みんなが神を信じていた頃、個人的な「心」などなかった、という話を聞いたことがある。

この世を造った神の前では、それぞれが固有の「心」を持つことなど、考えられなかった、というのだ。この世は「神の御心のまま」であって、少しでも自分の思いや考えなどが浮かぼうものなら、それは恐ろしい「悪魔のささやき」であって、だからこそ「懺悔」が必要だった、という訳だ。

神の存在が薄れ、市民社会が生まれる中で、個人意識が芽生え、「心」というものが意識されるようになった。

この話の真偽はともかく、今の私たちに自明のように見える「心」というものでさえ、時代が違えば大きく異なっていたであろうことは、想像に難くない。

ところで、遠い過去を考えるのでなく、同じこの時代であっても、はたして「心」というものは、誰にも同様のあり方で、存在するのか?

自閉の症例は、このことに疑問を提示する。どう見ても個人的な「内面」を持たないように見える自閉の患者は、では個人として存在しないことになるのか?

犬のふるまいや反応、さらにはロボットであっても、そこに見える動きは、「心」とは別のものか?

「心」について考え始めると、なかなか難しい。

『心はあるのか』(橋爪 大三郎著・ちくま新書)、『「こころ」の本質とは何か』(滝川一廣著・ちくま新書)と並ぶ一冊。
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