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環境と文明の世界史―人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ (新書y)
 
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環境と文明の世界史―人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ (新書y) [新書]

石 弘之 , 湯浅 赳男 , 安田 喜憲
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 756 通常配送無料 詳細
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商品の説明

環境と文明の世界史 人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ
戦争が歴史家の主たる関心事であったころは、古代史や中世史は戦術によって決定されたと考えられた。環境破壊への認識が深まる現代に、環境問題こそが歴史を決定したという新たな史観が生まれるのは、歴史とはそもそも現在の問題関心から読み解かれるものである以上、実に適切な学問運動にほかならない。本書は世界史の決定要因は環境問題であったことを鼎談形式で論じている。現代への憂慮と歴史への洞察が環境要因という共通項で時空を超えてつながるところに知的な迫力がある。

まず、私たちヒトの起源。すべてのヒトの起源はアフリカ大陸の断層の東側で2足歩行を始めた人類であることがDNA分析などで明らかになっているが、大陸の東側が上昇し、西側が沈下してできたこの大地溝帯の東側でのみ、ヒトはなぜチンパンジーと分かれて2足歩行をするようになったのか。

理由は雨。壁ができたことで、西側からの湿った空気が雨になって西側に降ってしまい、東側のケニアなどの高地は乾燥した。確かに雨が降り続けばどうしても体を前かがみにして内臓が冷えないようにするであろう。また、メスの胸には子がしがみつき、子がぬれないようにするために2足歩行になりにくかったのかもしれない。

2足歩行になると視界が開け、敵を早めに察知する知能が加速度的に発達し、またメスは子を腕で抱いて守るようになるので子孫の生存率が高まり、「出アフリカ説」の通り、遠くまで歩いて広がり、繁殖した。

その後、様々な文明の興亡があるが、衰亡の共通点は環境変動であるという。インダスの古代文明は、アーリア人の侵入で滅びるが、彼らのアグニ神は火の神で、彼らは森林を焼きながら東へ移動し、飢餓が多発したので釈迦による救済の思想が広まった。古代ギリシャ・ローマでは青銅器や船を作るために森林伐採が進み、土壌中の水分が減少して彼らの農法である天水農業が維持できなくなって征服戦争が頻発し、帝国の衰亡につながるキリスト教が浸透した。

その修道院は中世において大量の熱量を必要とするステンドグラスや金属の生産拠点にもなって森を破壊する。その果てでペスト禍が繰り返しヨーロッパを襲うが、その猛威はアルプス以北では抑制され、文明の中心が北上する。その理由は、アルプスに森が残り、ペスト菌を媒介するネズミを食べるフクロウとオオカミが生息し続けたからである。森から出ることが文明化であると人は信じてきたが、実は、森こそが文明を守ったのだと教えられる。

(上智大学教授 猪口 邦子)
(日経ビジネス 2001/09/03 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

内容(「BOOK」データベースより)

人類が営々と築き上げてきた文明は、頻繁に変化する自然環境とともに興亡を繰り返してきた。人類の飽くなき知恵と欲望は、今日の「繁栄」をもたらしたが、次々に自然を破壊することで、地球環境の悪化をもたらした。人類の歴史は、自分たちが自然環境に生かされていることを忘れた滅亡への道でもあった。環境学、環境考古学、比較文明史の論客が、環境史の視点から人類の滅亡回避の可能性を論じ合った警世の書。

登録情報

  • 新書: 222ページ
  • 出版社: 洋泉社 (2001/05)
  • ISBN-10: 4896915364
  • ISBN-13: 978-4896915365
  • 発売日: 2001/05
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
環境の自然な変化が人間に及ぼした様々な影響。
人間が環境を改変し、その結果生じた社会の激変。
三人の一級の学者の鼎談は、従来の人間中心の歴史観では見えなかった歴史の実像を明らかにしてくれます。

鼎談なので、引用文献が殆ど示されないのは残念ですが、星一個の減点に値するほどではありません。考古学、歴史書、文学まで及ぶ三人の知識の引き出しから、次々と明かされる歴史のファクトが、タイトルどおりの「環境と文明の世界史」をありありと示してくれます。

後で調べてみようと思って、面白いエピソードにマーカーをつけながら読んだら、本が真っ黄色になってしまいました。これからの参考文献探しが大変です(笑)。

このレビューは参考になりましたか?
29 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
開放感!! 2002/5/10
By "imura"
形式:新書
   対話形式(この本は3人)の場合、お互いの文脈が噛み合わなかったり、用意してきた資料が貧弱だったりすることもあり、「紙の無駄使いだなあ」と感じることも多い。自分の言いたいことをわがままに言い合ったり、「そうですね」や「うん」ばかりだったら「読むのはよそう」と思っていたが、いやはや、この本はまったくそういう心配はいりませんでした。

 というか、20万年前から現在までの! しかも、地球のあらゆる場所にわたっての! 気宇広大な対話の連続であり、てんこ盛りだと言ってもいい。普段、ちまちましたことばかり考えている人だったら、読みながら軽いめまいを覚えるだろう。あるいは、わけのわからない開放感を覚えるだろう。

 ここで、私が「おお!」と驚愕したお話のいくつかを引用!!してみたい気持ちにも駆られるが(毒ガスの製造が人口の爆発を誘発したとかね)、まあ、そういうエピソードがすべて、の本なので書くのはやめときます。ただ、これくらいでっかいスパンでものごとを見ている学問分野はないと思われるのに、文学の話も自然に出てきたりします。新書の対話形式ということを考えると、これだけの情報量を詰め込んだ編集者のご苦労がしのばれます。

 あと、この本が、スケールだけはあの『銃・病原菌・鉄』と気分的につながっていることを指摘しておこう。なんといっても、どちらの本も、扱っている時間や空間がメチャメチャ広い。たとえば、『銃・病原菌・鉄』でも、オーストラリアやユーラシアや南北アメリカ大陸に、大型の動物が存在しない理由を検証していた。つまりそれは、!!どう見ても、環境というよりは殺戮的な性格をもった人間による虐殺だったということを。そのことは、この本でも触れられています。
 瑣末な生活に疲れたときに手にとってみるといい本だと思います。

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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
人類の歴史 2009/3/3
By 志村真幸 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 石弘之・安田喜憲・湯浅赳男という環境史の研究者3人が集まっての対談(正確には鼎談か)。
 私は対談本が好きではない。読みにくいし、情報の精度が落ちるためだ。しかし、本書は面白かった。この手の対談本の価値は、1.まだ論文や著書になっていない最新の情報が盛り込める 2.思いつき・アイデアを示す、というところにあるのだろうが、それが充分に発揮されていた。特に、新しいアイデアが豊富に語られている。充分に検証されていなかったり、見通しとして考えているものであったり、対談のなかでふと思いついたものであったり。
 それらはかならずしも正しいものばかりではない。研究していくうちに誤りだと分かったり、結局論文や本にはならなかったりということも少なくない。しかし、「大きな話」であり、魅力的なことがあるのだ。読んでいて心躍らされた。
 入門書や研究の手掛かりとして良い本と思う。
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