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仕掛けられた罠に傷つきながらも、歯を食いしばるようにして行動していく一匹狼の“冬の狐”、彼女が行動していく姿がいい。彼女が身にまとっている凛とした清々しさ、そこにまず惹かれる。彼女の親友として登場するカメラマンの横尾硝子も素敵だ。ともすれば気持ちが萎えそうになる陶子の前に絶妙のタイミングで現れ、彼女の気力を奮い立たせる、いわばカンフル剤の役割を担うのが硝子である。陶子に対して、歯に衣着せない物言いで叱咤激励する硝子が、話の中でキラリと光っているように思う。
話の味わいとしては、競り市などで冬狐堂が手に入れる人形や切り子碗といった骨董品にまとわりついている“闇”の雰囲気、古い器物に宿る生命の気のようなものが立ち上がってくるところが印象に残る。古くからある道具や玩具、絵や器物などには魂が宿ることがあるという。そうした年代物の骨董品にスポットライトを当てて、そこに込められた職人の思いを浮かび上がらせて見せてくれるところに、冬狐堂シリーズのもうひとつの旨味があるように思う。
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