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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
骨董の闇、過去の闇の中を行く“冬の狐”が魅力的な作品集,
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レビュー対象商品: 瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (単行本)
古美術・骨董業界で旗師を生業としている冬狐堂こと宇佐見陶子。生き馬の目を抜くような世界で、プロの目利きとして行動する彼女を主人公にした話が四つ収められた作品集。「倣雛(ならいびな)心中」「苦い狐」「瑠璃の契り」「黒髪のクピド」の順に収録されている。前作の『緋友禅』以来、二年ぶりとなる冬狐堂シリーズの作品集である。仕掛けられた罠に傷つきながらも、歯を食いしばるようにして行動していく一匹狼の“冬の狐”、彼女が行動していく姿がいい。彼女が身にまとっている凛とした清々しさ、そこにまず惹かれる。彼女の親友として登場するカメラマンの横尾硝子も素敵だ。ともすれば気持ちが萎えそうになる陶子の前に絶妙のタイミングで現れ、彼女の気力を奮い立たせる、いわばカンフル剤の役割を担うのが硝子である。陶子に対して、歯に衣着せない物言いで叱咤激励する硝子が、話の中でキラリと光っているように思う。 話の味わいとしては、競り市などで冬狐堂が手に入れる人形や切り子碗といった骨董品にまとわりついている“闇”の雰囲気、古い器物に宿る生命の気のようなものが立ち上がってくるところが印象に残る。古くからある道具や玩具、絵や器物などには魂が宿ることがあるという。そうした年代物の骨董品にスポットライトを当てて、そこに込められた職人の思いを浮かび上がらせて見せてくれるところに、冬狐堂シリーズのもうひとつの旨味があるように思う。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
今作も秀作揃いの短編集,
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レビュー対象商品: 瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (文春文庫) (文庫)
冬の狐こと、骨董旗師の冬狐堂の女主人、宇佐見陶子のシリーズ文庫最新作です(シリーズの長編は講談社から「狐罠」「狐闇」と文庫でも出ています。こちらの文春文庫の方は短編連作集ですが、主人公などは同じなので同一シリーズとして取り扱うほうがいいでしょう)。骨董の世界において、自らの店舗を持たず、競り市や地方の倉等から己れの「目利き」を頼りに骨董品を仕入れまた別の業者や客に転売することで成り立つ旗師は、常に商品をまわし続けること、またおかしな商品を仕入れたり売らないことで信用を勝ち得続けなければならない過酷な職業。ましてや普通の業界と違って、お互いがお互いを騙そうとしたり、出自自体がわからない品が行き来する暗い世界。 そんな中で生きる陶子も、いつしか目利きとして名が売れていきます。 それだけに時には腕を試され、はめられそうになる時もあります。この作品でも、彼女は目利きであるが故に逆にそうした罠にはまり危地に陥るのですが、、、果たして彼女はその危地を脱することができるのか。 本作には「倣雛心中」「苦い狐」「瑠璃の誓い」「黒髪のクピド」と四つの短編が収められていますがどれも秀逸です。なかなかに厳しく張りつめた展開の作品が多く、息をつめて読んでしまいますが、それも心地よい疲れです。本作では友人の横尾硝子が、事件の中であるときはワトスンとして、あるときはパートナーとして、あるときは事件の当事者の一人として大きく絡んできますが、そのときどきの二人の会話やお互いへの気遣いや連帯が非常に強く描かれていてそのあたりも読みどころの一つでしょう。 おすすめできる一冊です。5の4です。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
厳しくも魅力的な世界,
By 九月 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 瑠璃の契り―旗師・冬狐堂 (文春文庫) (文庫)
店舗を持たない骨董商・旗師として厳しくも魅力的な世界を渡り歩く陶子のシリーズ短編集。 商品の質は良いのに、幾度も返品される人形を同業者から預かり その謎解きをする「倣雛心中」 陶子が美大生時代の同級生の画集が送られてくることに 端をなした「苦い狐」 博多で手に入れた瑠璃の杯を、陶子の友人のカメラマン・硝子が 珍しい執着をみせたところから広がる「瑠璃の契り」 元夫に頼まれ手に入れた、瞳孔がひらいた人間そっくりに造られた人形と その後行方不明になった彼をおう「黒髪のクピド」の四作が収録されています。 今回、陶子は冒頭から 旗師の商売道具である目に、病を得てしまいます。 そのことは隠しきれず、陶子を試すような同業者の罠もあり…。 友人の硝子や知り合いの骨董商、元夫などとの関係や会話も 自立した厳しさと暖かさがない交ぜになって魅力的です。 他のシリーズの登場人物が登場することも多いこのシリーズ、 今回は「親不孝通りディテクティブ」から一人、登場しています。
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