のどかに聞くのもよいのですが、ヘッドホンorイヤホンで聞いてみるのをお勧めします。
琵琶の独特の「サワリ」の震える音がよく聞こえて、背筋がぞくぞくするほどです。
いわゆる「ノイズ」とは全く違います。
静けさの中で音がかすかにふるえる、余韻を残す、それを感じる。
日本の奥にある音だと思います。
平家物語といえば琵琶を想像する方々は少なくないと思いますが、本来は「平家」という音楽芸能のジャンルである、ということはあまり知られていないと思います。平家琵琶で平家を演奏していたので、その後に生まれた薩摩琵琶や筑前琵琶でも平家物語を弾いていますが、やはり平家は一度は平家琵琶で聞きたいもの。しかも、昔から伝えられてきた当道の流れを汲むいわゆる生粋の平家物語です。盲目の検校さんからそのお弟子さんへと口承で伝えられた曲は、平家全200曲の中で、今はこのCDに残る10曲(うち一曲は一部、一曲は復元)だけになっています。しかも、弾いていらっしゃる今井氏にはもう晴眼のお弟子さんしかいないとか…まさに最後の琵琶法師による平家です。800年以上続き、今その姿を失いつつある貴重な日本の音を、ぜひ聞いてみてください。日本の琵琶研究の第一人者の薦田治子先生による解説書はコレ一冊で平家がわかる!とも言うべき一冊で、日本の伝統芸能に係る方々は必読です。時田アリソン先生の英訳も、外国の方に説明するときに便利でしかも正確に伝わると思います。