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一話一話は完結しているのだが、連作短編として話がつながっていく趣向も凝らされている。前の話でちらりと名前が出てきた人物が次の話では主役になる、そうした廻り灯籠的な話の展開。
また、最初は昭之と徐庚先生のふたりだけだった舞台に他の人物たちが出てくるに従って、楽屋裏かと思っていたところがいつしか表舞台へと転じている味わいもある。聊斎志異を思わせる怪異万華鏡の風味とともに、連作短編としての趣向の妙が利いていたところ、ユニークで面白いなと思った。
「太清丹(たいせいたん)」「飢渇(きかつ)」「唾壺(だこ)」「妬忌津(ときしん)」「琥珀枕(こはくちん)」「双犀犬(そうさいけん)」「明鏡井(めいきょうせい)」の七つの話。
なかでも印象に残る作品として、魅力的な妖怪が出てきた「妬忌津」と、ミステリーの妙味は集中随一と感じた「双犀犬」、このふたつの話を挙げたい。
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