不思議な本であった。脈絡のない夢を見ているような感じで文章が展開されていく(実際はきちんと計算されているのだけれど)。寓話の話かと思っていたら、いつのまにか、絵画の詳細な解説になっていて、気がつくと博学的なオランダの話、さらにキリストにまつわる宗教の話かと思いきや、ギリシア神話の話へと連なっていく・・・。作者はイギリスの高名な詩人だそうであるが、その博覧強記ぶりには驚かされる。森羅万象あらゆることを熟知しているのではないか、と思ってしまう。「解説」にもあったが、全26章、毎日1章ずつ読むことをおすすめする。ぼくはがむしゃらに読み進んでいったのだが、読んでいるうちに複雑な迷路に彷徨いこんで、自分を見失うことがしばしばあったからだ。