近年の怪談ブームは怖いもの好きな私にも嬉しい限り。とはいえ、なかなか「これだ!」と思える1冊には巡り会えない。そんな中、書名からして目を惹かずにはいられない、この1冊との巡り会いには大感動!1冊の中に、まるで百物語を追体験するように百話が収録されている形式は勿論、目次を開いて、ずらっと並ぶタイトルを目にしただけでワクワクする。そのタイトルのつけ方が、また上手い。期待が高まる。内容は「琉球(=沖縄)」と銘打たれているだけあって、沖縄という土地の持つ歴史が随所に感じられる。ぞっとする1話もあれば、思わず涙してしまった1話も…。背筋が凍るような恐怖と共に、何故か見知らぬ土地の出来事であるのに感情移入してしまうのだ。ひとえに筆者の人柄がにじみ出ている文章の賜物だろう。また、登場人物が喋る方言が絶妙なスパイスとなり、怪談を盛り上げる。筆者の小原氏自身の体験も記されており、非常に興味深かった。この本に集まった百話は、やはり、沖縄だからこそ生まれ得た百話なのだ。気が早いかもしれないが、第二弾が発刊されることを楽しみにしている。ぜひシリーズ化を!