文庫本になった機会に読んでみました。単行本刊行時(2003年6月)から約3年経ったわけですが、理系人間を取り巻く社会環境は3年経ってもそう大幅には変わっていないように思えました。(その意味で、この文庫本の「賞味期限」は切れてませんね) 同じ理系の世界でも、自分とは違う分野の世界の話は興味深く読めました。また良く知ってる分野の内容では「おっと、その先生は(匿名掲示板や噂で見聞する限り)そんなに奇麗ごとでは済まなさそうですよ(-_-);;」という御仁(約1名)も登場して、ややビックリしましたが。ともあれ、理系人としては他人事ではないため、数日で読了しました。
読み終えて思うことに、「数字で測れるモノ」に拘る余り「数字で測りにくいモノ」への配慮が足りなくなってきているのでは、という風潮です。例えば、業績評価などは何でもかんでも数値化して評価する傾向が強くなりすぎる余り、数値目標達成のために行動が近視眼的になるということも…「内側から見た富士通〜『成果主義』の崩壊」(城 繁幸)という本で書かれていることも、決して他人事ではないわけです。数値目標を課す側も課される側も、「目標」を数値化することで安心してしまっていては駄目で、数字では測りにくいモノ(科学の審美眼、独創性、根気、愛情、協調性、倫理観、モラル...)にいっそう配慮が必要だと思います。昨今、話題になった研究者のデータ捏造・改竄騒ぎ/不正行為(研究費の流用など)を見聞するにつけ、「数字で測れるモノ」に固執したあまりに「数字では測りにくいモノ」がないがしろにされたのでは、と思わざるを得ません。(そういうわけで、まだまだ現在進行形の事態があるわけでして、その意味でも本書の続編を期待しております。あらゆる業界の【お役人様】にも読んで頂かないと!)