難関大志望者には過去問演習の前段階に、中堅国公立大志望者には過去問演習と並行して使える演習書。入試精選問題集というシリーズの数学編という位置づけで、「文系'T・A・'U・B」「理系'T・A・'U・B」「理系'V・C」の計3冊からなる。レベル的には「青チャート」「1対1対応の演習」あたりで一定の見通しを得た生徒さんが主対象であろう。
すべての分野からまんべんなく問題が収録されており、本番で差がつきそうなところをうまくとってきているので、バランスよく、中身の濃い演習ができる。過去問だけだとどうしても志望校の頻出分野に偏ってしまうので(もちろん頻出分野の演習も大切なのだが)、それを補う意味でもこの本をうまく使ってもらいたい。解説は昨今の参考書を見慣れた生徒さんには若干そっけなく映るかも知れないが、導入部分をしっかり読みながらノートに答案を作ってほしい。
あえて問題点をあげるとしたら、(これは河合出版の本全般にいえることかも知れないが)同じシリーズでも本によって対象レベル・難易度に差がみられること。文系と理系で難易度に差があるのは当然だが、「理系'T・A・'U・B」に比べて「理系'V・C」が格段に難しいという話も聞く(極限分野に難問が多いからだろうか)。もし両方使うなら前者→後者の順にする、後者を使う前にたとえば「理系入試の最速攻略」数学'V・C(文英堂)のような導入書をはさむなど工夫したい。