「理系プレゼン」とあるが、図示されているスライド例が著者の専門である化学工学ということ、そして、理工系の学科で年度末に教員や学生が参加して行われる「卒論報告会」に向けての活用が念頭にあるということ。その二点を除けば、本書で惜しみなく提示されているノウハウは文理を問わず役に立つ。広義の意味で研究職に従事している人にお薦めの一冊と言えよう。今回この本を読んで、研究生活XX年経っても、一向にプレゼン能力に向上が見られない(泣)私にとっては大いに得るものがあった。とりわけ、第14条「セールスポイントが入った図表の説明に時間をかける」は、折角いろいろとスライドを作ったのだから一枚残らず見せようとして、かえって印象の薄い結果になるのではないかと反省させられたし、第30条「ごちゃごちゃした印象を与えない」も同様に、頑張りすぎるとかえって空回りになるものだということを改めて確認した。そして第42条「1文には句点をつけない」のページを読んだ時、文章を提示している訳でもないのに律儀に句点を忘れないようにしていた自分が恥ずかしくなってしまった。なお、最後のページに「理系プレゼンの五輪書 50条一覧」としてまとめが付されているのは有り難い。