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59 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
幅広い対象分野と対話形式の平易な説明が秀逸な名著,
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レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
久しぶりに「面白すぎる本に出会った」という感想を持たせてくれる本に出会った、というのが読後の正直な感想です。私は哲学や論理学については素人ですが、この本はそのような素人であっても、グイグイと引き込まれていく、非常な読みやすさを持っています。なぜそうなのか考えてみると、以下のような特徴があると思いました。 1) 分からない人の存在を前提に書いている とかく専門書に頻出しがちな横文字や専門用語の説明無しの使用は、この本では皆無と言えます。なぜなら、架空のシンポジウムを文字おこしした本として書かれており、素人の会社員や運動選手などといった、普通の人が「分かりません!」とすぐに突っ込みを入れ、「では分かりやすくご説明しましょう」と、すぐに説明が続くからです。それでも、「分かりやすくと言いつつ、実際には分からない」ということが他の本では多いのですが、この本に限ってはそのような心配は無用です。 2) 問題の提示の仕方が生活に密着した題材として出されるため常に現実感がある とかく哲学というものは、素人から見ると、およそ生活とはかけ離れた絵空事、という風に感じがちです。それは、問題設定が自分の生活の領域とかけ離れているからだと思います。この本はそうではなく、常に「私たち一般人の現実」を議論の出発点にしています。そのため、哲学や論理学とは、実は自分の生活に非常に大きな位置を占めているのだ、ということが良く分かるようになっています。生活に役立つ本、人生を豊かにさせてくれる本。著者はおそらくそう言うことを目指して書いたのではないかということが、読んでいて良く伝わってくるのです。 他にも色々、良い所はあるのですが、私にとってはこの二点だけでも、読むに値すると思います。ぜひお読み下さい。おすすめします!
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
結局はわからないということがわかった…のかな,
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レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
最後の、ゲーテルの不完全性定理のあたりにくるとハードな論理学になってもうぜんぜんわからない世界だったが、それでも対話形式でどんどん読み進められてしまうので、書かれていることの輪郭だけはぼんやりとではあるがつかめたような気がする。要するに、現在最高の英知をしてとことん突き詰めて考えてもこの世界の中心には神様がサイコロを投げているとしか思えないようなランダムさが芯みたいに残っている、という話であるように思うが、それも不確かだ。だってそのサイコロを投げる神様も不完全性定理によれば存在しなくなるのであって……ああやっぱりわかっていない、きっとこの本の10%もわかっていないのだ。でも読んでよかったと思う。それは私だけがわかっていないわけではなく、世の中の大半の人は真実を知らず、また、知ることもできないのであるということがわかったから。数学界の大御所、ヒルベルトは、すべての数学的な真理の照明をするシステムが存在しないことをゲーデルが証明してしまって激怒し、哲学者たちもこの不完全性定理によってあらゆる科学的認識を明確にするという夢を打ち砕かれたと言う。そうした義憤にはとても共感できないが、実生活に関係のあることとして最も憤慨すべきは、民主主義はどうやったってイカサマになってしまうということだろう。イカサマとうい言い方が不穏なら、どんなに努力して「民意」というものをかたちにしようとしても、何らかのバイアスがかからざるを得ないこと、これはショッキングである。「短期投票方式」や「上位二者決選投票方式」は、結局人気もあるが敵も多い候補者をとることになる。「総当たり投票方式」や「順位評点方式」だと八方美人の候補者をとることになる。どちらがいいのかはわからないが、そういうところにお国柄や時代といった「バイアス」がかかるわけだ。 私たちは経験的に政治経済の世界は「理論通りにはならない」ことを知っているが、そうではない科学や純粋数学の世界でも「理論通りにはならない」穴がぼこぼことあいているというこの世界のあり方をこの本から垣間見た。それで数学者や哲学者のように落胆するどころか自分はむしろそれでいいんじゃないかと思った。対話の中でしばしば脱線して「司会者」にたしなめられる「カント主義者」や「ロマン主義者」の言い分も別の機会にもっとじっくり聞いてみたい。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大変面白いです。おススメです。,
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レビュー対象商品: 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書) (新書)
「理性の最後の一歩は、理性を超える事物が無限にあるということを認めること」(パスカル)ここまで面白い本だとは思わなかった。時々頭をフル回転させながら読んだ。本書では以下の3つの限界という視点から、理性の限界に迫っている。 ・選択の限界(社会科学の限界):アロウの不可能性原理 ・科学の限界(自然科学の限界):ハイゼンベルクの不確定性原理 ・知識の限界(形式科学の限界):ゲーデルの不完全性定理 著者は論理学と哲学の専門家。難解なテーマを、実に楽しく興味深く解説することに成功している。ポイントのひとつは架空の対話形式になっている点だろう。会社員、大学生A、科学者、運動選手、カント主義者、映像評論家、国際政治学者他、著者自身も「何人登場させたか自分でも覚えていない」という多彩な人物たちのある意味で適当な登場加減が結果的にいい味を出している。知的な刺激を存分に楽しむことができた。良い本です。お勧め。
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