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5つ星のうち 5.0
キューブリック初期の傑作で犯罪映画の古典。, 2007/11/11
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スタンリー・キューブリックの初期の傑作。
キューブリックは脚本にも参加しており、タランティーノをはじめ多くの映画作家がその後摸倣することになる、有名な時間をシャッフルさせて同じ出来事を再現していく構成が素晴らしい。演出は序盤がややもたつくが作戦会議以後はシャープできびきびした演出で、85分があっという間に過ぎる。古典なのでストーリーはご存知の方も多いと思うが有名な最後の場面の虚無感が残る余韻も忘れがたい。
スターリング・ヘイドンは当時の犯罪映画にはちょくちょく出ているハードボイルドな役者だが、本作以外にジョン・ヒューストン監督の「アスファルト・ジャングル」にも出演しており、こちらも傑作なので是非ご覧になってください。
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5つ星のうち 5.0
「職人キューブリック」のデビュー, 2011/6/11
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前作「非情の罠」に続き初期キューブリックの「フィルム・ノワール」第二弾だが、この最初期の二本は姉妹編とも言え、「対」を成している。
「非情の罠」には、初々しく微笑ましくも「芸術家」キューブリックの片鱗が垣間みれる。対して本作は、「職人」キューブリックが既に確立しながら姿を表している。
「フィルム・ノワール」という同ジャンルの最初期のこの二作品で「芸術家」と「職人」というキューブリックの二面性がそれぞれ提示された。後、この二面性が高度に融合されながらセンセーショナルな「キューブリック・ワールド」の作品群が登場してくることになる前哨戦である。
前作「非情の罠」にはどこか浮遊感のある夢を見ているような印象があった。つまり「ファンタジー」である(実際、映画中盤からは、試合に負けて人生の敗残者となったボクサーである主人公が見た「夢」であるという解釈も可能である)。対して本作はシビアな「リアリティー」が演出でも強調され、時間進行で見せる「犯罪記録」であり、「ファンタジー」が入り込む隙はない。「無意識」(芸術家)と「意識」(職人)という言葉で両作品の違いを表すこともできる。
時間軸の妙技、スリル、絶妙のラストなど、本作品自体の「面白さ」は多く語られているので割愛し、代わりに、観ていて個人的に思ってしまった他愛も無いことを一つ二つ。
もし「リメイク」だったら、プロ狙撃手ニッキーはニコラス・ケイジがピッタリ(笑)だなとか、競馬場払い戻し職員のジョージが撃たれたまま悪妻のもとに辿り着く一連のシーン(優れたブラック・ユーモア!)はジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リヴィング・デッド」に多大なインスパイアを与えたに間違いない!とか。
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5つ星のうち 5.0
キューブリックの傑作ノワール, 2010/10/30
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パルプ・フィクション(犯罪小説)にありふれているような、欲望に溺れる人間たちの話を、
まだ新進監督だったキューブリックが作りあげたB級犯罪ノワールものの傑作。
競馬場の売上金強奪計画が、登場人物それぞれの主観時間で語られる、という『羅生門』(50)
をさらに複雑、斬新にした映画的な時制話法が 何よりスリリングで素晴らしい。各人の生き
ている時間が生々しく交差し、計画実行までの緊迫感を一層高めている。紫煙の中で、計画を
話し合う姿を捉えたりする、ドキュメンタリー・タッチのシャープな白黒撮影も実に魅力的。
若き日のキューブリックのさまざまな技巧に満ちた映画的冒険が熱く(作風のクールさとは反
対に)伝わってくる逸品だ。
キャスティングも素晴らしい。B級犯罪の常連スターリング・ヘイドン(『
アスファルト・ジャングル [DVD]』、
『
三人の狙撃者 [DVD]』)は、不吉さと絶望感を体現しているような感じで、登場とともに、この
作品の結末を暗示している。彼と恋人コーリン・グレイとの束の間の夢が哀しい。そして、小心
者のエリッシャ・クック・Jr.(男らしさを見せようとす るあたりが、いかにも彼らしい)と彼の悪妻
マリー・ウインザーの怪演も出色。
どれだけ映画史で有名な作品であっても、手の込んだDVDを発売しない米MGM/UAに倣い、日本
盤DVD(日本での権利者は、20世紀フォックス)も同マスターから商品化。本編のみという寂しい仕
様だが、作品そのものがこれだけの映画的魅力を放っているのだから、特典などかえって不要か
もしれない。