高等学校の新学習指導要領で「英語の授業は英語で行うことを基本とする」と書かれて以来、授業内で使用できる英語表現を集めた同様の書籍が出版されているが、使える表現を場面ごとに並べただけの感があった。それはそれで、このような表現を使えばいいのか、という情報にはなったが、いざ教室で使おうとするとなかなかタイミングよく使うことができなかった。しかし、この本では表現の紹介にとどまらず、さらに細かいフォローがなされている。第1章でまず重要表現を場面ごと(挨拶、指示、発言の促し等)、機能ごと(依頼、伝達、討論等)に紹介している。さらに第2章では、先生、生徒それぞれが主体となるような対話の具体例を取り上げ、第3章では授業での活動別(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング等)で10〜20分の授業の流れに沿った表現と使い方が提示されている。最後に第4章では、第3章の授業例をもとに実施できる具体的なタスクまで紹介されているという至れり尽くせりの内容となっている。具体例が多く紹介されているので、どのような状況でそれぞれの表現が使われるか、実際の授業の流れを頭にイメージしやすい。さらに嬉しいのは、各章の間にはさまれる形で書かれている COLUMN の存在である。このCOLUMN では、第二言語習得、英語教授法において論点となっていることについて、文献を参照しながらコンパクトに紹介されている。わずか1ページで概要がつかめるように紹介されているのは、多忙な教師にとってとてもありがたい。