Wiresharkでの操作から実践的なトラブル解決事例までを網羅したパケットの解析書。本書の特徴は、「アプリケーションプロトコル」の挙動として、SMBを深く掘り下げて解説している点である。FTPプロトコルも説明しているのだが、主要なテーマそのものがSMBプロトコルの解説書といった雰囲気までしてくる。SMBに関しては、本書の中盤でアプリケーションプロトコルとして説明し、最後の章も複数ある実践的なトラブル事例の中で、SMBの3事例を最終項目として締めくくっている。TCP・UDP・ICMPといったコアとなるプロトコルの説明は当然あるが、SMBを使用しない組織にとっては、この本の中心的な題材から外れてしまう点だけは考慮しておいた方がいいだろう。
しかし、LAN環境でWindowsがあれば使用されるのがSMBである。ファイル共有システムのイントラネット環境でパケットを解析するシーンに遭遇する機会が多いネットワーク管理者やシステム管理者は、手元に置いておきたい一冊である。