『いきなりはじめる浄土真宗』『はじめたばかりの浄土真宗』(本願寺出版社)のコンビによる最新作。今度は仏教(真宗)に限らず現代の霊性と宗教の様々な局面に関してトークする。ブックカバーのデザインは、なんと井上雄彦氏!コミック的に最近逝ったばかりの柳生石舟斎のような霊がただよう装画で、おどろおどろしくも魅惑的である。
前著でも感じたことがだ、この二人はきわめて相性がいい。個人的にはどちらも好きなのだが、内田氏はその思想のあまりの軽快さに時々眉唾をつけたくなることがあり、釈氏の宗教論は、その知識の旺盛さがしばしば重たく感じられる。だから、二人が交互に入れ替わりつつしゃべると、軽妙で盲をつかれる思索と学問的な裏づけのある豊富な知的情報とがバランスよく提示されて、楽しみながら一挙に読み終えることができるのだ。
本書は、2005年9月から半年間行われた講義が元になっているようで、靖国問題やスピリチュアル・ブームに対する批判的なスタンスの取り方など、少なくとも議論のレベルでは、余り真新しい感じはしない。とはいえ、そんな「時評」を超えて興味深い基本的で普遍的な宗教論が随所でなされており、特に初学者にはもってこいの本として仕上がっていると思う。