ビブリオ・マニアを超えたフィロビブロンと紀田順一郎氏が賞賛を惜しまないが、著書を読んでみると、それ以上の素晴らしい人物である。
小学校卒で国鉄の給仕として働き、苦学の末に山形大学の教授になり、岩波英和辞典を編纂された方である。文字通り本を味読し、それらを自分の血肉に変えて英語学者になっただけではなく、その知識を学問の啓蒙に人生を費やすというのは並大抵では出来ない。
本編で紹介される著書は古書店でないと手に入らない本もあるかもしれない。古典も含まれている。だが本は時代を超えて評価されるものである。今のようにネットで簡単に手に入る時代とは違い、当時は入手も大変であったろう。本を味わい、楽しみながら、そして本を愛する著者こそ、本当のビブリオマニアであろう。
著者の真摯な学問の態度に、只恐れ入るだけである。