「史記」=「司馬遷」のコンビは名前だけ知っていただけで、その中身はどういったものかよく知らなかった。著書は司馬遷の生い立ちを含めて、史記の全体像から個別的詳細にいたるまで私のような読者にも配慮しており、入門書としてよくできている。何より著者がとりあげた人物たちは出自から始まり育った環境、そして歴史をどう動乱させたかが大変魅力的で、ある意味はちゃめちゃではあり「え〜!!」「まさか!!」と引き込まれながらも、所々にある著者の解説や故事成語の起源を示されて「なるほどね」と納得してしまった。
「立身出世の制度が確立していなかった時代、制度に頼ることなく、いわば裸一貫で歴史の舞台に登場した人物の魅力」との解説が的をを得ている。習慣や伝統や道徳と言ったものにしばられず、「あくまで信用するのはその人間の生きてきた道と中身」な姿勢はこれぞ歴史の胎動だと感じることができた。そして百三十巻にもなる史記を少しずつでも読み進んでいきたと思った。