秘宝館、ラブホテル、イメクラ、風俗情報誌、大人のおもちゃ、浅野祥雲、喫茶室ルノアール、お水写真、アウトサイダーアート。
同時刊行の『デザイン豚よ木に登れ』に比べてエロ度は高く、眉をひそめる良識派のインテリたちをあざ笑うように、すぐそこにあるアートを読者にぶつけてみせる。
こだわりすぎて、なんだかすごいことになっちゃった日本の風俗やAV。なんとなく描きはじめたら上手い下手とは全く関係なく描く衝動が止められないアーティスト達。その存在こそ、もうアートとしか言いようがない。
一貫してアートとは何かと問いかける著者の姿勢は痛快で、オシャレなデザイナーにも、原宿で稼いでウォーホルの絵を自宅に飾る金持ちにも、現代美術の評論家にもたどり着けない、「アートのはじまり」を、読者は本書に登場する「アーティスト」達に感じるだろう。ちょっとスイッチを切り替えて周りを見渡すと、広義のアウトサイダーアーティストはたくさん存在している。そして、変だと思っていてもやめられない衝動があなたの中にもあるなら、あなたもアーティストである。
「もしも教養が僕らに「ものわかり」というものを教えてくれる最高の技術なのだとしたら、アートがなりうる最高のすがたとは「ものをわかろうとしない」ことを教えてくれる生存術であるのかもしれない」