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現代日本の損害保険産業
 
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現代日本の損害保険産業 [単行本]

植草 益


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ブックレビュー社

損害保険産業の現状と将来を最新情報を駆使して詳述,また規制理論に基づき損害保険をミクロ経済学的に分析
これまで戦後長く続いた厳重な護送船団行政のもとで手厚い付加保険料と含み資産に支えられて高収益,優良企業の典型とされてきたわが国の損害保険業界が一転して嵐に巻き込まれはじめている。本年5月には戦後初めての損保会社破綻が報じられた。その直接のきっかけとなったのが98年7月からの損害保険料率自由化にあることは周知のとおりである。こうした激変の時代にあってこれまで比較的地味な存在として,マスコミに登場するのもせいぜい大学生の就職人気の高さ(それも損保会社の安定・高収益のイメージによるものである)程度であったはずのこの業界にも,世の関心が集まり始めている。本書は,こうしたタイミングのもとで数名の研究者と実務に携わる経験を持つ業界人が分担執筆したものを産業組織論,公的規制論専攻の編者がとりまとめたものである。

本書の特徴は第1に,これまでほとんど実務的レベルでしか書かれることのなかった損害保険産業について,経済学の理論・分析手法を用いてその本格的な分析に取り組んだ点にある。特に,ミクロ経済学の手法を用いた損保市場の均衡分析と保険料率の分析は興味深いものがある。

第2に,損保業界と近年内外の耳目を集めているいわゆる「金融ビッグバン」との関係を取り上げている。そのうちでは特に欧米における損保市場での新しい展開(カタストロフィ保険,ファイナイト・リスク再保険等)について多くの紙面を割いていることは,業界の実務家にとってのみでなく金融理論の専門家,また最近ブーム的様相を帯びつつある「金融工学」に関心のある人々にとってもきわめて刺激的な部分であろう。また第3のポイントとして,従来典型的規制産業とされて来た損保業界を規制緩和論との関連から取り上げて論じている点は今日混迷気味のわが国の規制緩和論争に対する1つの問題提起となり得る。

本書は,わが国における損保産業の本格的な経済分析として他に類を見ないユニークな業績として高く評価できる。 (住友生命総合研究所 取締役主席研究員 兼 國學院大学経済学部兼任講師 市来 治海×もう頼まない)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)

内容(「BOOK」データベースより)

損害保険産業の構造、公的規制、企業行動、経済成果を総合的に分析。金融ビッグバンを背景とした構造変化と今後の帰趨を考察する。第一線研究者と実務家による、わが国初の本格的産業論。

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