政治思想史を踏まえた政治理論を「リベラリズム」と「デモクラシー」を機軸にして11の章にまとめ上げたテキストブックである。「政治思想史を踏まえている」とは、最新の理論の紹介に終始するのではなく、それらの議論の履歴にも言及し、思想史上に位置づけようとしている本書の編集方針のことを指している。
前半の各章で、古典的ではありつつもなお現代政治理論において中心的位置を占める諸概念を取り扱い、後半でネイション・フェミニズム・公共性・新しいデモクラシー論・グローバリセーションといったより新しい議論へと向かう。もちろん、全ての理論的トピックスを網羅しているわけではないが、入門書として、現代政治理論で論じられている内容の広がりと深みとを丁寧に紹介している。有斐閣アルマシリーズの中でも良書であろうと思われる。