「うつ」や「自閉症」や「統合失調症」のような状態・言葉は、ふだん、とかく否定的に捉えられがちだろうと思います。
「あいつのやる気が足りないからだ!」とか「これだからナヨナヨしたゆとり世代は!」というように。
この、特集「臨床現象学」の執筆陣は、当然ですが、そのような見方を決してしない。
「うつ」「自閉症」「リハビリ」といったものを(あるいはその治療を要する人々を)あるがままに受け止め、すこしでもそれらと(当事者の周りの人々をも含めて)「うまく付き合ってゆく」にはどのような方策がなされるべきか、
ということについて、「現場の臨床事例の提示」「患者のなまの声」「医学史的検討」「哲学的検討」など多様な切り口・観点から、それぞれ緻密な検討がなされています。
「こころ」とは、「からだ」とは、いったいなんなのだろうと考えさせられる、充実した内容だと思います。
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以下、参考までに目次を略記。(「連載」部分は省略。「特集」部分のみ記載。)
特集=臨床現象学
討議「統合失調症と自閉症の現象学」・・・木村敏 村上靖彦
〃「看護における「現象学的研究」の模索」・・・西村ユミ 松葉祥一
当事者研究「痛みの当事者研究」―動きと時間をとめる、覚めない悪夢について―・・・熊谷晋一郎
〃「うまく話せない当事者研究」・・・綾屋紗月
精神医学「「あいだ」の共有」―生命の現象学と臨床医学 メルロ=ポンティ、ヴァイツゼガー、木村敏―・・・加國尚志
〃「瞬間の自己性」―トラウマ学再論―・・・野間俊一
〃「「反精神医学の闘士」と自己の現実」―フーコー『精神医学の権力』と制度の臨床現象学―・・・廣瀬浩司
リハビリテーション「痛みと身体のはざまで」―重すぎる毛布―・・・L.ベッレーシ C.ペルフェッティ他(小池美納訳)
〃「「脳のなかの身体」の痛みを治療する」―神経因性疼痛に対する認知運動療法の紹介―・・・宮本省三
〃「障害の傍らを通り過ぎる」・・・河本英夫
〃「リハビリのポイエティーク」―神経現象学リハビリテーションの臨床―・・・人見眞理
〃「身体は見えるものである」―理学療法からダンスへ―・・・本間直樹 玉地雅浩
看護ケア「パーキンソン病患者の生活世界の現象学的研究」・・・H.サンヴィッソン P.ベナー(松葉祥一、三浦藍訳)
〃「中から見たメビウス症」―顔の表情のない生活―・・・J.コール(宮原克典訳)