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現代思想のコミュニケーション的転回 (筑摩選書)
 
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現代思想のコミュニケーション的転回 (筑摩選書) [単行本]

高田 明典
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「超越論的転回」から「言語的転回」「解釈学的転回」を経て、現代思想はついに「コミュニケーション的転回」に至った。「わたし」から「みんな」へ、「モノ」から「コミュニケーション」へ、と移り変わってきた思想の流れを整理し、いま現代思想が現実社会に対して何ができるのかを提示する。新しい時代の「正義」「価値」を考えるための「使える」一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高田 明典
1961年生まれ。フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科教授。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻電子通信工学専門分野博士後期課程単位取得満期退学。茨城大学教育学部非常勤講師(文化記号論)。芸術科学会会員。日本心理学会会員。情報処理学会会員。IEEE会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 302ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/1/15)
  • ISBN-10: 4480015132
  • ISBN-13: 978-4480015136
  • 発売日: 2011/1/15
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.2 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 本書は、「コミュニケーション的転回」について説明を加え、その発生の土壌を知るとともに、その目指すものや、それが社会に与える影響などを考えるための素地を形成しようとするものである。ここでの「コミュニケーション的転回」とは、「言葉(意味)が先に存在して、それを用いてコミュニケーションが行われる」という考えから、「コミュニケーションが先に存在して、その結果として言葉(意味)が生成される」というパラダイムに変化したことを指す。

 「はじめに」は、本書の問題設定と構成について。
 第1章「全体の見取り図」は、18世紀から現代までの思想的流れの概略について。本書は思想史の展開を「超越論的転回」、「言語的転回」、「解釈学的転回」、「コミュニケーション的転回」の4段階として整理する。
 第2章「私たちが直面している問題はどのようなものか」は、社会的現象としてのコミュニケーション的転回について。裁判員裁判制度、政権交代、メディア・アートなどが取り上げられ、現代においてコミュニケーションが重要視されていることが指摘される。
 第3章「コミュニケーション的転回の哲学的基礎」は、哲学におけるコミュニケーション論的転回を準備した諸理論・概念について。ソシュール、ウィトゲンシュタイン、ブーバー、レヴィナス、ハイデガー、バース、ガダマーなどが取り上げられる。
 第4章「現代思想のコミュニケーション的転回」は、哲学におけるコミュニケーション的転回について。アーペル、ハーバーマス、ギデンズが取り上げられる。
 第5章「コミュニケーション的転回の意義」は、哲学におけるコミュニケーション的転回の意義について、第2章で論じた社会現象としてのコミュニケーション的転回を引きつつ考察する。
 第6章「現代コミュニケーション論概観」は、現代コミュニケーション論の学説とモデルについて。
 第7章「コミュニケーション的転回の問題点」は、コミュニケーション的転回の問題点を指摘しているものとして、バウマンの「個人化」、オルテガ「大衆の反逆」、ランシエールのデモクラシー論などが取り上げられる。

 「コミュニケーション論に初めて触れる読者」にわかりやすく説明するという著者の目的は果たされていると思う。ブックガイドや参考文献表もあり、さらに勉強を進めるのにも役立つ。とはいえ、問題点が全くないわけではない。自身の感想として、以下3点を挙げておく。
1) 本書は、パラダイム・シフトの展開を、個々の哲学者・思想家の業績に帰属させて説明する「偉人がつくった(による)思想史」である。そのため、転回が発生した社会的、経済的、文化的要因については検討されていない。
2) 本書は、コミュニケーションの個別的な様相を説明したものとして、いくつかの対人コミュニケーション論を取り上げている。しかし、それら個々のコミュニケーション論と本書で説明された転回とがどのように関連するか不明瞭である。哲学的議論と、社会学的、心理学的議論との間にはギャップがあるように感じられた。コミュニケーション論は転回の結果なのか。それともその表現なのか。
3) 本書は、コミュニケーション的転回が多くの分野で進行しているとしている。確かに本書を読めば、少なくとも哲学においてパラダイム・シフトが起こったことが理解できる。しかし、それが他分野でも同様に生じているかどうかは検討されていない。それゆえ、現代における転回をコミュニケーションという観点からのみ把握してよいかどうか疑問が残る。例えば、歴史学では、ハーバーマスの影響を受けて、公共圏に関する研究がなされてはいるが、それが歴史学における主流とはいえないだろう。
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By Bibliothekar トップ1000レビュアー
形式:単行本
 人間の認識活動の史的転回をヨーロッパ合理主義の思想的系譜を辿りながら、跡づけ、日常生活においての有効性の哲学的意義を著者が命名した「コミュニケーション的転回(communication turn)」の意義と変遷を大学1年生の学生を前提に描き出された教科書の試み。
 哲学研究者であれ、デカルトを源流とするヨーロッパ合理主義の認識論の精緻化の推移を「超越論的転回」「言語的転回」「解釈学的転回」と「コミュニケーション的転回」へと転回させその意義を判りやすく解説している。第1章から図示を多用することで、フッサール流の意識作用のベクトルを3次元空間上に段階的に描き出し、意思作用のベクトルが認識論的に変化する様を明快にしている。その後にハーバーマスを筆頭に連関する哲学者や社会学者の精緻化理論の諸成果を導入しながら、コミュニケーション的転回の理論構築を展開する。
 哲学的な観点からすると、著者が提示するコミュイケーション的展開の意義まで語る必要性の有無を問うことは同語反復(トートロジー)的危機にも見えるが、社会哲学的な意義は本書を通読することで了解できるであろう。
 巻末に主要な「転回」を表明した著者たちの主著とその日本語解説の名著を解題した書誌をおき、読者のより正確な理解へと導く工夫がなされており、著者の正確な理解を裏付けている。惜しむらくは、索引が付されていないことであろう。入門的理論書ならば索引こそがその寿命を延ばすに違いない。
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