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現代史の虚実―沖縄大江裁判・靖国・慰安婦・南京・フェミニズム
 
 

現代史の虚実―沖縄大江裁判・靖国・慰安婦・南京・フェミニズム [単行本]

秦 郁彦
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

マスコミが醸成し強要する先導的な「歴史解釈」「空気」「同調圧力」に異議あり。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

秦 郁彦
1932(昭和7)年山口県生まれ。1956年東京大学法学部卒業。ハーバード大学、コロンビア大学留学、大蔵省財政史室長、プリンストン大学客員教授、拓殖大学、千葉大学、日本大学各教授を歴任。法学博士。『昭和史の謎を追う』(文藝春秋)で1993(平成5)年度菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 354ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/05)
  • ISBN-10: 4163702709
  • ISBN-13: 978-4163702704
  • 発売日: 2008/05
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
形式:単行本
 相変わらず膨大な資料に精通し、ぶれない判断で明晰な分析を示す秦氏の一冊。
 現在の政治問題と深く絡み合い、「なんだかよくわからない」ことになっている不透明な問題について、理路整然と問題を整理し、見通しを与えてくれる。是非とも一読されたい。物事の本質がよくわかることは請け合いだ。
 特に本書の白眉は沖縄自決事件や「富田メモ」である。報道だけではわかりにくいものがすっきり見えてくる。そしてまたそれをわかりにくくしたり、自らに都合よくゆがめている左右の勢力やメスメディアの影に戦慄を禁じ得ない。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 和田
形式:単行本
秦氏の渡嘉敷の集団自決の知識の多くは、曽野綾子の「ある神話の背景」に拠っているようだ。その上で自分勝手な妄想をしている。   たとえば、自作地図?で恩納河原を北山陣地の北に描く。そして西山地区の谷間を村役場が以前から隠れ場所と想定していた地点としている。(実際は西山地区のだいぶ南に位置する恩納河原だが)また、島民のまとまった集団自決は3/27日夜半と28日の正午前後とする。3/27は島民が赤松の命令で大きく三集団に分かれて西山地区に向かっていた時期に当たりこの時期に集団自決があるとする証言はない。唯一、谷本版陣中日誌に「昨夜出発したる各部隊夜明けと共に帰隊道案内の現地防衛招集の一部支給しありたる手榴弾を以て家族と共に自決す。本朝二、三件の模様なり。」と記載するがこれとて28日朝。しかも島民や勤務隊の証言もなく、道案内の防衛隊が個別に二三件脱走する事態は想定しにくい。どちらも赤松があとづけで攪乱情報を流したに過ぎない。  もっとも大規模な集団自決は28日午後8時からの米軍砲撃から翌朝まで続いた、フィジガー残留阿波連住民のものであった。 これを外した秦の自決認識などまったく信用することができない。 秦は、渡嘉敷の集団自決にかかる交錯した情報を整理しきれず、曽野と赤松の偽情報を信用したため、混乱して淺読みの憶測を書き連ねた。批判する「鉄の暴風」と同じ轍を踏んでいる。 
従軍慰安婦については、軍からの委託で外食にたとえれば集団給食であり、個別の外食ではない。軍施設の利用や軍資金も出ている。 秦が同じ態様と説明する戦後米軍相手のものは、政府が自治体や民間に依頼・指導・監督したことは認められるが政府が委託・施設・金銭支払いをしたとする証拠が提示されていない。また秦の指摘するベトナム戦争の慰安婦に関するブラウンミラーの訳文は「 ここで働いているのは、戦争で家や家族を失った難民や、もともとサイゴンで水商売をしていた女性たちだった。彼女たちは省知事の指示で集められ、ライ・ケ市長の指示によって町へ送り込まれた(二人は相応の分け前を受け取っていた)。こうした人員の調達や料金の取り決めなどの仕事をヴェトナム民間人に委ねた上で、アメリカ軍部は衛生面と安全保障面の管理統制を受けもった。「女性たちは毎週、衛生兵によって性病検査と消毒を受けていた」とアーネットは肯定的な口ぶりで話した。・・・・陸軍基地内の慰安所(「罪の都」「ディズニーランド」「ブーム・ブーム・パーラー」などと呼ばれた)は師団長である陸軍少将の裁量で設置され、大佐クラスの旅団長の直接監督下におかれた。ヴェトナムにおける米軍慰安所が、陸軍参謀総長ウィリアム・C・ウェストモーランド、サイゴンの米大使館および米国防総省の三者の了承のもとに成り立っていたことは明白である」となっていて委託・集団給食のようには読めない。むしろ、公認されある程度管理統制された民間主体の業態に思える。 しかし、秦のいうとおり(そもそも日本軍が慰安施設を作った目的が中国戦線での乱暴狼藉を防止するためとの軍の公文書が存在し)軍による強制連行は法度の筈でインドネシアなど一部にみられる連行は少なくとも山賊行為として、取り締まり対象となるはずのものである。氷山の一角という主張もありえるが山賊行為があたりまえになれば、軍の戦争目的に対する効率は低下するので食料略奪のような頻度ではありえない。 従軍慰安婦については、本質を外れた噛み合わない論議が続く現状がある。

いずれにしても、秦郁彦は歴史学者とは思えない。思い込みと扇動をつつしみ、正確な事実の検証と法律的整理に努めるべきである。  
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16 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 濱哲
形式:単行本|Amazonが確認した購入
本書は冒頭で「大江健三郎氏『沖縄ノート』裁判の行方」を取上げているが、最近、その裁判の控訴審判決があった。
原告敗訴。つまり、秦さんたちが応援していた梅澤元少佐らの側が負けたわけだ。
本訴訟の行方については、本書と『週刊新潮』に櫻井よしこ氏が連載しているコラム記事のほかは新聞記事ていどの知識しか持ってないが、櫻井氏は「大阪高裁は判決で『直接的な自決命令は真実性が揺らいだ』と認めながらも、梅澤隊長が繰り返す『自決するでない』と命じたとの右の主張は採用出来ないというのだ。なぜ、採用出来ないのかは明らかではない」と記している。
しかしながら、第三者の目から見ると、やはり、梅澤氏や宮平秀幸氏の証言は採用できないとするのが客観的かつ冷静な判断ではないかと思う。
なぜ、採用できないのか?
理由は明らか。これらの証言には50%の信憑性しか認められないからだ。要するに、端の人間からみると、「半信半疑」とする水準を、原告側が法廷で突き崩せなかったということ。むしろ、原告側弁護団の立証方針に問題があったと言うべきではなかろうか。
梅澤氏は住民たちに「馬鹿なことを言うな!………死ぬなど馬鹿な考えを起こしてはいけないよ」と言ったと法廷で主張した。が、これまで唯一の証人とされてきた「故・宮城初枝」氏の語ったところは、ただ単に「(自決用に)弾薬をください」と申出て、梅澤隊長に、「今晩は一応お帰りください」と断られたというもの。のちに「じつは……」と、宮城氏が真相を告白し、梅澤氏に謝罪したときの遣り取りからだと、その時すでに梅澤氏は集団自決事件当時の「対話」について記憶を失っていたように窺える。とすると、法廷での梅澤氏の陳述は、のちになって創作された可能性も考えられないではない。ほんとうに「いまごろになって記憶が蘇った」と理解してよいのか、そこに疑問が残ってしまうのだ。
「自決命令はなかった」と語った宮城氏のその言葉で梅澤氏の「命令」は冤罪と証明されている。
欲張って、「自決するなと命じた」と弁解させたのは、却って陳述の信憑性に疑問を持たせることになったのではないか。
要するに焦りからきた無用の答弁というべき。
指揮を仰ぐべき本島の32軍司令部との連絡を絶たれ、何もかも自分が指揮官として判断しなければならなくなったとき、陸軍士官学校出身で30歳にもならない特攻部隊長の梅澤少佐ていどに、戦闘中の島民の安全まで考慮するような気持ちの余裕があったとは、とうてい考えられない。こういうのは、強弁すればするほど、ますます疑わしくなる種類の証言と言えよう。他の目撃証言によると、当時、梅澤少佐の頭の中は米軍との戦闘のことで目一杯だったのではないかと推察される。
梅澤、宮平両氏の証言を信じるか、それとも信じないか、2つに1つの選択とすると、事実立証の責は提訴した原告側にあることからして、疑わしきは被告側の利益にという結論になるのは不思議でも何でもない。
この訴訟、仮に自分が陪審員(裁判員ではないよ!)だったとしても、原告側勝訴に手を挙げるのは、やはり躊躇せざるを得ないと言える。
■追注1.)本書で秦氏は、沖縄県の行政部と32軍の指揮命令系統図を掲げ、「法律がなく、戒厳令も布告されてないので、軍部に行政部に対する指揮命令権はなかった」と主張しているが、『沖縄の島守―内務官僚かく戦えり』(田村洋三著)によると、沖縄戦当時、陸軍が独自に定めた「上陸防禦教令」にもとづき沖縄県民を防衛召集している事実、および小磯内閣も「沖縄県防衛強化実施要綱」を閣議決定し、軍部による行政部への指揮権を認めている事実からすると、秦さんが本書で主張する「島民に命令する権限は戦闘部隊長にはなかった」との説は崩れたと見るほかないのではないか。
もしかすると、戦後になって自己の職務権限に梅澤氏も気付いたのではないだろうか。だからこそ、今頃になって「自決してはならないと命じた」という弁解を始めたのではないかとも考えられる。
いつも冷静な秦さんなのに、本訴訟に限って、本書の記述は、いささか秦さんらしくないものを感じさせられた。
■追注2.)曽野綾子氏著『集団自決の真相』、田村洋三氏著『沖縄の島守―内務官僚かく戦えり』を書評したコーナーも併せてお目通しくだされば幸甚。
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