タイトルが「現代写真論」。現代はどこを示しているのかというと大体1980年代以降です。
そして、国別、年代別という従来の分類の仕方は無視して、世界中の作家に目配りしつつ
作品のテーマを8つにわけて、論じています。もちろん日本の写真家も何人か
含まれています。
著者はイギリスでいくつかの美術館写真部門のキュレーターを務め、現在は
イギリス国立メディア博物館のクリエイティブディレクター。さすがに、広い世界の
写真家たちをピックアップしています。
243点の作品がカラーで掲載されています。ただやはり、1人1人の作家についての
記述は短くなりますから、この本が「写真論」といわれるとやや疑問なところは残ります。
しかし、まさに「現在」活躍する作家やその傾向を知ることのできるカタログという
意味ではとても役に立つ本だと思います。
考えてみると、こうした本、つまり現在を取り扱い、なおかつテーマにわけて
世界中の作家を含めた本というのはなかなかありません。この本では写真に特化していますが
(とはいえ作家によってはもちろん写真以外の活動をしている人も多い)、
絵画、映像、オブジェetc.についてもこうした本は少なく、貴重です。