メドベジェフ大統領の北方領土訪問で、にわかに日本人の関心は「北の守り」にも向かったが、プーチン首相の大統領復帰の動きも指摘されるなかで、メドベジェフ現政権の動きには目が離せない。圧倒的な力を誇示してきたプーチンの陰に隠れてきたメドベジェフ氏が、プーチン路線と袂を分かつのではと、うかがわせる論旨が面白い。学者とジャーナリスト合計3人の合作だが、まるで一人のロシア分析家の手によるものかと思われるほど、流れがいい。原子力潜水艦沈没事件、モスクワ劇場人質事件、学校生徒人質事件などショッキングな事件を時の政治の文脈に関連づけながら、なめらかに「ロシアの今と明日」を教えてくれる。